畑友洋准教授(畑友洋建築設計事務所)と萬田隆教授(tmsd萬田隆構造設計事務所)が、「甲陽園の家」で2024年日本建築学会作品選奨を受賞しました。
兵庫県西宮市につくられた住宅で、かつてのあるいは現在の街の道を手掛かりに、その流れの中に溶け込み、つながっていくような住まいのあり方について考究された建築作品です。
建材の運搬もままならない周辺環境を読み解き、人の手で運び、組み立てられる方法として、小さなピースの組み合わせでスパンを飛ばせる形として屋根をアーチ状とすることに着目しました。
また、屋根の掛け方として十字柱のアーチのグリッドから45°斜行した向きにボールト状に屋根を連続させることにしました。
小さな部材の組み立てで伸びやかな空間を生み出す架構の形式が、道の流れをつなぐ多軸的な座標となり、認識における空間を街の広がりの中に拡張し、伸びやかな斜面の連なりにまで溶け出していくような住まいのあり方を目指しました。