学長挨拶

学長 佐藤 優

芸術工学の新たな挑戦

今、芸術工学またはデザイン・アートの分野は、大きな変動期にさしかかっています。ほんの少し前までは、デザイン・アートというと芸術的な感性を基盤とした技能の世界のように思われていました。もちろんそれは大切な要素の一つです。これに対して芸術工学は、芸術と工学の融合、あるいは感性と科学技術の融合を標榜して新たな学問分野を確立させてきました。
論理を中心とした意識的な思考と、感性を中心とした無意識的な思考とは同時並列的に作動していると言われています。これは、あたかも芸術工学の理念そのままの指摘です。科学的なプロセスと、デザイン・アートの飛躍したアプローチとが一体となることによって、新しい発想や可能性を提示することにつながります。
現実の社会でも、主要なメディアであった4大メディアが急減し、オンラインにおける選択可能な情報が拡散し、縦横に系統化される時代となりました。また、従来の造形分野の境界が融和し、考えてもいなかった共感が得られる表現が次々と提示されている今日、伝統的な表現領域を堅持する一方で、境界を超えて開拓的な分野にも挑戦することが不可欠です。芸術工学は、このような社会の変動に注意深く対応し、これまで主として育成してきた創造力や先導力に加えて、今後の新たな関係や分野を開拓する力も磨いていきます。
芸術工学やデザイン・アートの領域は、著しく拡大してきています。神戸芸術工科大学も常に変化し、新しい時代を創造する役割を担い、社会に新たな価値を発信していきたいと考えます。

神戸芸術工科大学 学長
佐藤 優

大学の四季(VIMEO)

冬の神戸芸術工科大学