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映像表現学科 金箱准教授と東京文化会館の研究成果が公開されました

2023年07月06日 メディア芸術学科 在学生向け情報 受験生向け情報 ニュース 教員向け情報 映像表現学科 成果・実績

2021年9月に東京文化会館で開催されたワークショップ「ヒカリズム~音と光で描くリズムの世界」において金箱准教授の作品「ratatap」が使用され、その様子を記録した映像が東京文化会館の公式youtubeアカウントで公開されました。
金箱准教授は、視覚や聴覚に障がいのある人もそうでない人も一緒に遊ぶ/感じることができるよう、音を光や振動に変えて伝える「共遊楽器」を提唱し、研究制作を進めています。
東京文化会館のコンビビアル・プロジェクトでは、2021年6~9月にかけて、楽器インタフェース研究者の金箱准教授と共同し、東京文化会館ワークショップ・リーダー5名がテクノロジーと音楽を融合させるワークショップ開発に取り組みました。9月に実施したワークショップでは、耳の聴こえ方に関わらず、音の振動に反応して出現する「オトダマくん」を通じて、自分だけではなく、人が発した音も一緒に見ながら、みんなで奏でることの楽しみや喜びを体験しました。

実施日 2021年9月5日(日)2回実施
※うち1回聴覚に障害のある方と同伴者を対象に、簡単な手話付きで実施
会場 東京文化会館 小ホール
対象 小学生~大人
出演 伊原小百合、桜井しおり、澤田知世、野口綾子、古橋果林(東京文化会館ワークショップ・リーダー)
概要 https://www.t-bunka.jp/stage/11112/

共遊楽器 『ラタタップ ratatap』を活用したワークショップ

●実施レポート|Tokyo Art Navigation SDGs×アート 001
https://tokyoartnavi.jp/column/8471/

●共遊楽器ってなあに?
「共遊楽器」とは、視覚や聴覚など多様な感覚特性や身体特性を持つ人たちが、それぞれの楽しみ方で一緒に音楽を楽しめるように開発された楽器のこと。楽器インタフェース研究者の金箱准教授による造語で、障害の有無に関わらず楽しめる「共遊玩具」からヒントを得ています。
いつもは聴覚だけで捉えがちな音を、目で見られる情報や肌で触れられる情報に変換することで、音楽を鑑賞する人がもっと増えるのではないか。色々なアプローチで楽器に触れることができるので、楽器を楽しめる人も増えるのではないか。そんな発想から生まれました。

●共遊楽器 『ラタタップ ratatap』 とは?
制作: 金箱淳一(神戸芸術工科大学准教授/楽器インタフェース研究者)
共同制作: 猪口大樹(レッドギークピクチャーズ)、吉田真也(モンブラン・ピクチャーズ株式会社)
制作年: 2015年
楽器インタフェース研究者、金箱淳一が発案する共遊楽器のひとつ。何人でも同時に参加でき、楽器の音が「見える」インスタレーションです。楽器を鳴らした場所から「オトダマくん」が飛び出します。二人が同時に楽器を鳴らすと「デカダマくん」が出てきてオトダマくんを追いかけ、音の世界を視覚的に拡張します。
メディアアートの可能性とは、普段目に見えない物を可視化し多様性を持たせることで、障害の有無に関係なく体験できることにあるという考えのもと、制作されました。

●東京文化会館ミュージック・ワークショップ「ヒカリズム~音と光で描くリズムの世界」(2021)
主催:東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京文化会館・アーツカウンシル東京
協力:株式会社シーマ、モンブラン・ピクチャーズ株式会社、神戸芸術工科大学
共同企画:金箱淳一(神戸芸術工科大学准教授/楽器インタフェース研究者)
企画制作:東京文化会館 事業係
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

東京文化会館ミュージック・ワークショップ「ヒカリズム~音と光で描くリズムの世界」(2021)
撮影:鈴木穣蔵
提供:東京文化会館