安藤七宝店と生産・工芸デザイン学科 蛭田直 准教授(情報科学芸術大学院大学:後期博士課程3年)の産学共同研究成果「桜清流紋」が「第5回日本和文化グランプリ」にて特別賞を受賞しました。
本アワードは、日本の和文化を担う企業・団体・個人を対象に、未来へ続く優れた作品を選出するものです。
受賞情報
内 容:「第5回日本和文化グランプリ」特別賞 受賞
作品名:「桜清流紋」
日 時:2025年12月2日(受賞式)
主 催:一般社団法人日本和文化振興プロジェクト
賞の概要
「日本和文化グランプリ」は、国籍や居住地を問わず、日本が誇る「和文化」の担い手を発掘し、持続可能な未来へと継承・発展させることを目的としたアワードです。伝統的な技術や様式美を継承しつつ、現代のライフスタイルや市場ニーズに即した革新性、将来性、拡張性を持つ作品や活動が、各分野の専門家により厳正に審査・選出されます。
作品概要
作品名「桜清流紋」
https://jcpp.jp/2025special-award1/
受賞作「桜清流紋(さくらせいりゅうもん)」は、上下を反転させることで、伝統を表す「桜」と未来を表す「清流」の二つの意匠が現れるリバーシブル構造の七宝花器です。
本作品は、安藤七宝店と生産・工芸デザイン学科 准教授 蛭田直(情報科学芸術大学院大学:後期博士課程3年)の産学共同研究により開発された「立体電気鋳造」技術を用いて制作されました。これまで電鋳をもちいる「電鋳七宝」は、精密な複写力と量産性を持ち合わせていながら、立物と呼ばれる立体の素地製造は職人の悲願であり困難とされていたものでした。本研究では、課題であった「凹型母型への均一な電鋳析出」を、3Dプリントなどのデジタルファブリケーション技術と伝統的な職人技の融合によって克服。複雑で自由な造形と量産性の両立が可能となったこの技術を作品に用いることで、新たな七宝焼の表現を実現しました。七宝の新たな可能性を拓くと同時に、現代の暮らしに寄り添う工芸の在り方を提示しています。



関連URL
日本和文化グランプリウェブサイト
第5回日本和文化グランプリウェブサイト