- 作者情報
- 卒業生 メディア芸術学科 山口 心音
映像表現学科 映画コース卒業(2024年度卒業)。
卒業制作展「神戸芸術工科大学卒展カオス2025」にて、学長賞を受賞。
STORY
制作ストーリー

私はこの作品を通じて、偶然生まれた唯一無二の瞬間を映画にしようと思いました。日々、生活しているだけで魅力的だと感じるものがたくさんあります。例えば、人が楽しそうに喋っている瞬間や風にそよぐ木々など。良いと感じる瞬間はその時の自分の感情によっても変わり、思ってもいなかった結果が生まれたりもします。些細な瞬間を捉え映画にすることで、自分の予想する範囲を超える発見や感動があるのではないかと考えました。
ダンススクールに通っている高校生の主人公・玲は公演本番が近づく中、チームの練習が進まないことに焦りを感じています。玲の幼馴染である朔は練習を休んでおり、玲は朔が戻ってくるまでの間、チームを繋ごうと必死に努力します。しかしある日、朔からスクールを辞めるということを告げられます。玲を取り巻く環境は息苦しく、心の拠り所であったはずのダンスさえも玲を苦しめる存在になっていきます。
脚本を書くにあたり、役者やモデルとなった人に綿密なインタビューを行い、自分の経験とも融合させて、流れを決めていきました。また、シーンの意図を伝えた後は役者の行動に任せる演出を試み、偶発的な瞬間が起きることを狙いました。本番では固まりきっていない状態からカメラを回し始め、演技のニュアンスが最高頂になる瞬間を収められるよう工夫しました。また、主人公が抱える息苦しさを「水」で表現し、作品全体に重要なモチーフとして登場させています。