- 作者情報
- 建築・環境デザイン学科卒業生 西⽥ 安々⼦
環境デザイン学科(2023年度卒業)。
卒業制作展「神戸芸術工科大学卒展カオス2024」にて、学長賞を受賞。
STORY
制作ストーリー

23年間共にしてきた町。
電車の音、祭りの太鼓や掛け声、家族・友人との時間が私の生活に彩りを与えてくれる。
しかし、去ることになり家を売り払った直後、鉄道の高架化が決定した。
「キャンセルできませんか。」買い手から放たれた言葉は、高架によって家やマチを否定された気分であった。
私にできることはないか、建築するだけじゃなく、もっと自由で身近な豊かさを生み出す方法はないか。
今回、この町と高架に問いかけてみることにした。
まず、線路が高架化されることにより、これまで⾏き来があまりなかった古い
町と新しい町が繋がり合う可能性に着目した。
二つの町の人々が、暮らしの延長線上にある衣食住に関連したワークショップや制作などを通し、人と人、人と町との関係を繋ぎ直すことを設計した。
秋祭りといった町内⾏事にも使用できるように配慮し、地域活動の幅を広げながら住民同士の接点を増やすような役割を高架下の空間に持たせた。
また、現在の沿線地域における営みを調査する中で、私有地の空きスペースに対して自ら増築するといった自由な姿が見られた。
ここから、高架下の敷地を住民に貸し出し、自らの手で建築するような運用方法によって、愛着を育むことを計画した。
マイナスイメージを持つ高架下を地域で作り上げ、時間をかけて町に拡張し、より暮らしを彩る豊かな場所として形成する。
このような今までにない新しいまちづくりのプランニングを提案する。