- 作者情報
- 建築・環境デザイン学科卒業生 大森 そら
環境デザイン学科(2023年度卒業)。
卒業制作展「神戸芸術工科大学卒展カオス2024」にて、学長賞を受賞。
STORY
制作ストーリー

風景を空間化する。
そこから見える風景はどこか懐かしい風景と重なり新たに輪郭づけられます。
坂越ならではの風景の仕組みを用いることで、物質的なものだけではなく、そこで起こり得る現象や営みを複雑に絡み合う自然と暮らしの風景として肉付けし、空間を生み出すことを試みました。
具体的には、多くの階段による引き込みや、路地特有の多様な導き方、様々な溢れ出しが時間と共に変化する、そうした背景のなかにいつも隙間から豊かな植栽が溢れだしていること、このような様々な要素の関連による現象を風景の仕組みととらえます。
変化し続ける風景にこれまで培ってきた町の輪郭を空間として残し、記憶のひとつの風景として縁取ることは、結果的に景観を維持することだけでなく、現代の生活スタイルに寄り添いつつも、文化や街並み、人の記憶や営みの継承、風景を空間化するひとつの設計手法となることを提案します。