- 作者情報
- 卒業生 生産・工芸デザイン学科 鎌田 颯己
プロダクト・インテリアデザイン学科卒業(2024年度卒業)。
卒業制作展「神戸芸術工科大学卒展カオス2025」にて、学長賞・学生賞を受賞。
STORY
制作ストーリー

「層—series」は木材にサンドブラスト加工を施すことによって生まれる質感を前面に出した作品群である。木材は通常、繊維が荒く柔らかい夏目と繊維が密で硬い冬目が交互に重なり木目ができている。特に針葉樹の中の杉の材にサンドブラスト加工を施すことで、柔らかい夏目のみが削れ、硬い冬目が浮き出て木目がはっきりとした凹凸として現れる。
隆起した木目には、「木の辿った歴史」が刻み込まれており、木が長い年月をかけて形成した木目を浮き彫りにすることで、生きていた頃の記憶や生き様、生命力が感じられ、それらを木自身から訴えかけてくるようにも思える。そのような木の声」を削り出しあらわにする行為は再び木に命を宿すことだと言える。いわば、木の内に秘める力を「発掘」する加工だと考える。
質感表現の研究として、小物や家具にサンドブラスト加工を施した作品群を制作し、材の形状や木取りと削れ方を組み合わせた時の様々な木目の質感や見え方、表情を探った。木が生きた年月によって木目や節の重なりや流れが層を残し、それらが断片的に浮き彫りになることから作品群の総称を「層」と名付け、小物作品群を「層—comono」、家具作品を「層—furniture」とした。また、それらを踏まえて「層—maruta」を最終成果物として制作した。