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卒業生 伊藤智寿さん/入選情報

2023年12月27日 環境デザイン学科 在学生向け情報 卒業生情報 ニュース 受験生向け情報 受賞・入選 卒業生向け情報 成果・実績

環境デザイン学科卒業生の伊藤智寿さんが第41回鹿島出版会主催・SDレビュー2023に出品された共同設計作品『Re SHIMIZU-URA PROJECT 集落を継ぎ接ぐ暮らしの提案』で本学初めての朝倉賞を受賞されました。
今後のご活躍にもご期待ください。

SDレビュー2023 ウェブサイト
https://kajima-publishing.co.jp/sdreview/

かつては紀伊國海運の要所として栄えた冷水浦。 近代化に伴って海際の役割が薄れ、およそ3軒に1軒が空き家となっており、自治機能の衰退も顕著に現れている。本提案は衰退傾向にある過疎集落で個と個であった空き家群を暮らしの中で1つの大きな家へと継ぎ接いでいくためのものである。日々目まぐるしく変化する状況のなかで建築と向き合い、長い時間をかけてつくることで生まれる新たな暮らしの可能性を提案する。群として空き家となった、集落という既存の建築ストックを、大工、設計者、滞在者ら「暮らしの共同体」が共に生活しながら更新し続けることで、継ぎ接いでいく。

共同体の人々は自分たちで空間を作り変える技術を身に付け、空き家集落に新たな価値をもたらすかもしれない。私たちの暮らしに終わりがないように、建築行為が生活と共にあるこのプロジェクトに竣工という概念はない。設計に多様な手法を取り入れるための集落を挙げた試みである。

このプロジェクトにおいて、図面は施工を指示するためのものではなく、ここに暮らす人々が自分たちの居場所をより快適な空間へと作り変えていく上での方針のようなものである。

また、計画図面によって起こりうる未来を共同体で共有しながらも、具体的に空間を作り変えていくのはその時々で集まった私たちである。私たちは暮らしの要求を汲み取りながら、現場で実際の物体を前にディテール検討と施工を往復しながら、建築を練り上げていく。
(文/いとうともひさ)