アクセス解析

HANADA laboratory
Logbook:Yoshiaki Hanada
2006年11月

花田の大学での暮らし、設計活動、日々の思いを記録します。
御意見、御感想等ありましたらこちらまで。研究室TOPはこちら

環境・建築デザイン学科公式ブログ
PRAXIS on the WEB

2006年-11月25日(土)

 少しのんびりの土曜日。某建築用語辞典の原稿書き、いくつかのメール、本屋。新刊の新書3冊、『欲ばりすぎるニッポンの教育』(苅谷剛彦+増田ユリヤ)、『建築紛争』(五十嵐敬喜、小川明雄)、『現代建築に関する16章』(五十嵐太郎)。

 今週の様子。
●11月21日(火):3年生のエスキース。夕方からは建築家の阿久津友嗣さんのトークセッション。模型まで持参してくださってとてもわかりやすいレクチャーだった。まだ専門科目が少ない1年生がとても面白かったと喜んでいたのが印象的。1年生のカリキュラムも見直さないといけないなあと痛感。

●11月22日(水):学科教授会、学科会議、臨時運営協議会、教授会。たっぷりの主任仕事。

11月23日(木):勤労感謝の日。近つ飛鳥博物館司馬遼太郎記念館へ。

 明日は八幡浜へ。日土小学校の夏の調査結果について、市民の皆さんへの報告会。改修案の提示はまだおこなわない予定だが、いろんな質問や意見も出るだろうなあ。さてどうなるか。

2006年-11月20日(月)

 学部のゼミ生と京都へ。京都造形芸術大学での前川圀男展の巡回展を見学。花田研制作の紀伊國屋書店の模型は無事でひと安心。他の大学の模型もすべて健在。さすがによくできている。折良く「日本の現代住宅1985-2005」もやっていて、学生諸君には参考になったことだろう。その後ゼミ生は紅葉の嵐山へ。

 僕は仕事があり大学へ。その前に、せっかく京都に来たので、スフェラビルへ初めて行って「永山祐子展」を見てきた。
 非常に面白かった。
 彼女のようなセンスはどう呼べばよいのだろう。新感覚派、なあ〜んていうといかにも古くさい文学史用語だが、でもたとえばそんな感じ。青木君が展覧会に寄せた文章もそのあたりをとらえようとしていた。脱・言葉という姿勢をとり、空間の質なるものを操っていて、物語性があって、新しい澄んだ素材感があって・・・。

2006年-11月19日(日)

 日記をコンスタントにつけることが全然できなくなってしまった。実際にも心理的にもバタバタしている証拠ですね。愛読というと言い過ぎでしょうが、暇つぶしに読んでくださっている方には誠に申し訳ありません。

 いろいろあった11月前半。
●10月31日(火):卒論発表会。例年のことだが、話の筋というか「落ち」というか、そういうものがない論文はほんとにつまらない。そのつまらなさになぜ気がつかないのか理解できない。きっと教える側にも責任があるだろう。これがああしてこうしてこうなって、と一言で説明できるのが論文だ。「落ち」があることの面白さをぜひ味わって卒業してほしい。

●11月1日(水):主任仕事。

●11月2日(木):3年生の実習の中間講評会。夕方から青井哲人さんによるトークセッション。青井さんは、以前、神戸芸工大の助手だった方。現在は人間環境大学の助教授として活躍中。台湾のフィールドワークについてのたいそう面白い話だったようだが(聞いていた鈴木成文先生が絶賛)、雑用でほとんど聞けず。きわめて残念。彼のブログは学生諸君、必読ね。

●11月4日(土):青木淳君が設計した大阪の現代美術のギャラリー「TARO NASU OSAKA」で、彼自身の展覧会「taro nasu bambi」が開催される。今日がそのオープニングで僕も行ってきた。青森の美術館で使った雪の結晶のような模様のカーテン生地で包んだ照明器具、というか光る物体が壁や天井からにょきにょきと突き出ている。動く「ワインセラー」は入口近くに置かれていて、それと壁の細い隙間を通り抜けると奥に広い場所がある。そこの壁や天井のケイカル板の割付に合わせ、基本のキューブが組み合わされてにょきにょきと生えている。作品が会場に置かれている、という感じではなく、空間全体が作品という印象だ。青木君自ら、自分でデザインしたギャラリーの使い方のお手本を示したと感じた次第。ちなみに展覧会名の「bambi」とは何だろうかと不思議だったが、青木君の説明を聞いて納得。答えは秘密。「こうだろうか」と聞いていただければ、正否のみお答えしましょう(笑)。ゼミの4年生も何人か参加。大阪の美術関係者の方と少し知り合えた。来年の1月28日までです。ぜひ!

●11月5日(日):推薦入試で大学へ。採点等があり、夜はドコモモ100選大阪展の打ち上げだったが、行けず。残念。

●11月6日(月)〜9日(木):授業、主任仕事、教授会、ランドスケープアーキテクト・稲田純一さんの特別講義などなど。
11月6・7・8日の朝日新聞の夕刊に青木君のエッセイが載ったのはお気づきでしょうか。文化欄の「こころの風景」というコーナーで、「原っぱみたいな美術館」「橋は道の一部」「どこでもない場所の浮遊感」の3回。初めの2つはそれぞれ青森県立美術館と馬見原橋のことだとわかるでしょうが、最後の回は、子供の時の引っ越しの記憶から高校時代の安部公房への傾倒、そして卒業制作などを題材にしたもので、彼の原風景のようなものが書かれており面白かった。「ベリーグッド!」と感想を送る。

●11月10日(金):某プロジェクトの研究会で京都へ。

●11月13日(月)〜17日(金):授業、主任仕事、学科会議、バルセロナで活躍する日本人建築家・鈴木裕一さんの特別講義(大学院)、関西大学での非常勤など。

●11月18日(土):大学へ。今日は進学相談会(小規模のオープンキャンパスのようなもの)だが、僕はその担当ではなく、現在開催中のスイスコミックアート展の一環として開催された本学のメディア表現学科の特認教授であるしりあがり寿先生によるワークショップをのぞきに行ったのである。たいへん面白かったです。何しろプロの漫画家を直に見るのは初めて。しかも、あのしりあがり寿さんです。ミーハー気分もありましたが、まんがというのはどういうふうに教えるんだろうということへの興味も津々。現在の日本の漫画界の状況分析や、フランスでの個展の話から始まり、その後、ワークショップの参加者が、自分で考案したキャラクターを主人公にしてスイスを舞台にしたマンガをB4・1枚に仕上げた。大きな白板に、サラサラすいい〜〜といろんなキャラクターを描いていかれる様子には、目が釘付けになりました。お話ぶりも実にいい。的を得たコメントとユーモア。一種のヘタウマなあの作風に潜む抒情性と批評性は、ああこういう人柄から生まれてるんだと納得した。名刺交換したりサインをもらったり。芸工大の教員でよかったなあ(笑)。

・・・・とまあ、あんなこんなの日々。

最近の本では、まず、奈良美智とgrafによる『A to Z』(フォイル)。何と素晴らしい空間感覚だろう。やはり展覧会を見にいくべきだったと後悔した。夢を見ているような、という形容がぴったりだ。
それ以外に、和田春樹『ある戦後精神の形成 1938-1965』(岩波書店)小谷野敦『新編 軟弱者の言い分』(ちくま文庫)『萬来舎』(鹿島出版会)、等々。

書店で『CUE+』(きゅうぷらす)という雑誌が目に止まった。ヤマギワが出してきた雑誌の新装版第1号とある。その中に、青木君と三宅理一さんの対談があって、青木君が学生時代から磯崎アトリエを経由して独立までのことを喋っている。4年生の時に、磯崎さんが非常勤で来て課題を担当したときのことにふれていて、僕の名前もでていた。青木君が書いている磯崎さんの発言を僕は全く覚えていない。ほめてもらったことは覚えているが、きっと緊張してたんだろうなあ。大学院に落ちたら磯崎さんの事務所に入れてほしいなあと思ったりしていたが、僕にはまったく向いていなかっただろうと今ならわかる。結果的に青木君が行き、僕は日建に入り、今こんなことをしている。神様はさすがに人をよく見ていると思う。

『新建築 住宅特集』12月号に吉井歳晴さんの新作「奈良・五条の家」が載っていて、その評を長坂大さんが書いている。吉井さんは芸工大で実習の非常勤をお願いしていて、先日大学で会ったとき長坂さんが僕の文章にふれていると教えてくれていた。昔、『JA』(No.34)に書いた「二分法をこえる眼差し」という論評の中の吉井さんに関する部分だった。ああ読んでくれた人がいたんだと嬉しくなった。