長濵伸貴 教授(株式会社E-DESIGN 代表取締役/ランドスケープデザイナー、ランドスケーププランナー)/畑友洋 准教授(畑友洋 建築設計事務所 主宰/建築家)
JR灘駅は南北に広場があり、立派な樹木がたくさん植わっていましたが、 木々だけでは夏は暑く雨が防げないうえ囲まれた窮屈な雰囲気になってしまい、また斜面地のため擁壁や段差が多くなってしまうといった問題点がありました。駅の南側には「兵庫県立美術館」、 北側は「原田の森ギャラリー」や「横尾忠則現代美術館」があり、この南北の文化施設をつなぐ道はミュージアムロードと呼ばれ親しまれていますが、それが広場によって分断される形に。そこで、まずは擁壁や段差をなくし、駅前に森をつくることで街との一体感を生み出す「灘の森テラス」をコンセプトとし、広場内の段差をスロープ化。環境工学シミュレーションによって風や気温を分析し、雲をイメージした日よけ屋根やアート作品を設置することで、駅の南北をつなぐ新たな文化的空間として、地域住民や来訪者が気軽に集える憩いの場所に生まれ変わる計画となっています。

リニューアル構想の立案においては、教員、学生だけではなく地域住民からもアイデアを募集。ワークショップでは模型やVR体験、パース図を見ることができるテーブルが設けられ、新しくなる灘駅前広場についてアイデアを出し合いました。市や地域住民と交流しながら実際のまちづくりに関わっていくことで、学生たちにとっては神戸の未来をつくる一員となり、実践的な学びを得る機会になります。

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都心三宮整備を中心に、駅前空間のリニューアルなど本学教員が担当している事例紹介を通じて、神戸の未来風景を解説します。