Logbook:Yoshiaki Hanada
2005年4月

花田の大学での暮らし、設計活動、日々の思いを記録します。
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2005年-4月29日(金)

 あれ今日は休みか、と当日気がつくくらいばたばたしている。そういえば連休が始まるんだなあ。今が4月でもうすぐ5月だということを忘れていた感じ。2年生の実習の授業、講義、学科の特別講義、ゼミ、御前浜整備計画の打ち合わせなどのルーティンで、火・水・木は破裂寸前だった。今日は急に日差しがきつくなった。

 『植田実の編集現場』は、500余人の支援者の方々への発送は完了したようだ。その中には、僕自身がこの本のことを報告したい方々がたくさん含まれていて、この集団と重ならない何人かの方々にのみ、僕からの献本をお送りした。若干の未発送分があるが一段落。友人からメール等で少し感想が届く。鈴木成文先生の文文日記でもふれていただいた(4/28)。いずれも嬉しいものばかりで一安心。
 インターネットの検索エンジンに「植田実の編集現場」と打ち込んでみる。ヒット件数が少しずつ増えていく様子が興味深い。今日は、オンライン書店以外に、あるライターのかたの日記で好意的に書いてあるのを発見した。
 僕がこの本の書評を頼まれたらどう書くだろうと考えてみる。近い過去とのつながりを維持することへのしつこい努力をほめるといった感じかな。
 
植田実論とはいいながら、まずは植田実「伝」と呼べるものにしたかった。その「伝」の構成を少し工夫して、その工夫が「論」を浮かび上がらせる、そんな本にしたかった。そんなことを指摘した書評が出ると嬉しいな。
 昨日は、さっそく読んでくださった若い方から、自分が大好きな集合住宅の本の著者である植田実さんと『都市住宅』という雑誌の編集長とが初めてつながって感激したという感想を聞いた。そういうちょっとした溝はあるものだ。その橋渡しに少しでも役立てたとしたら本望だ。ともかく若い人たちに読んでほしいと思っています。
 今日は、花田研の最初の院生で、現在「GA JAPAN」編集部の石坂美樹さんと久しぶりに会うことができた。わが家の近くにある建物の取材にやって来たのだ。雑誌「国際建築」に関する彼女の修論や、手伝ってもらった芸工大での共同研究は、上記の「植田本」でも大いに役立っている。もちろん1冊受け取ってもらった。

2005年-4月24日(日) あれやこれや

 さらに、あっという間に4月も末になってきた。新学期のあれやこれやと自分の仕事とが重なり慌ただしい10日間。休みらしい休みもなく、入学式などが遥か遠い昔の出来事ような感じがする。

 この間の出来事でいちばんご報告したいのが、この日記で「宿題1」と書いてきた本が書店に並び始めたこと(おそらく昨日くらいから)。『植田実の編集現場 建築を伝えるということ』(ラトルズ)という本です。
 編集者・植田実さんが2003年に日本建築学会賞文化賞を受賞され、それを記念して、多くの支援者の方々の協力のもと、展覧会とパーティー(2004年1月)および本の出版が企画されました。本書はその最後の成果物です。
 
植田さんから電話があったのが2003年の夏。展覧会で配布する小冊子に植田論を書いてくれという依頼でした。しかし植田さんは展覧会の準備に追われ、出版は展覧会終了後に変更されました。ところがそうやって時間ができたのをいいことに、私の文章量と執筆時間はどんどんと増し、結局今に至ってしまいました。
 その代わりというと弁解にしかなりませんが、なにやらいろいろなものが詰まった本になったように思います。奥付の著者は私となっておりますが、ご覧いただければおわかりのように、この本は実にたくさんの人々の力によってできあがっています。宣伝めいて恐縮ですが、「前から読んでも、後から見ても面白い本」なのです。どういう意味か、実物を手にしていただければわかります。

 出版を記念して(というか販売促進活動として?笑)、大阪と東京で、植田さんと私で「トークショー」なるものをやることになりました。大阪会場の詳細は以下の通りです。
 東京は、6月11日(土)18:30から池袋のジュンク堂書店の予定ですが、詳細はまだ僕も知りません。
 宣伝するつもりは毛頭ないのですが、ただ、植田さんの面白いお話が聞けるかもしれないので、興味ある方はぜひどうぞ。

  日時/2005年5月27日(金)18:30〜20:30
  場所/大阪市中央公会堂・地階展示室
  講師/植田実、花田佳明
  参加費/1000円
  定員/50名(要予約)
     お名前、ご住所、電話番号、FAX番号を書いて、下記にFAXしてください。
     定員になり次第、締めきります。
  申し込み・問い合わせ/アトリエ苫人 中野・佐藤
           TEL03-3469-0845
           FAX03-3469-0853

       本屋さんでこの「眼」の視線を感じるハズ。


 それ以外には、『CONFORT』の次号(5/5号)の原稿、編集部と細かな調整。日建の大谷弘明さんが設計した「積層の家」と、広瀬鎌二が設計したオリジナルを建築家・神保哲夫さんが手を加えてきた「上小沢邸」の2軒について書きました。「積層の家」が今年度の建築学会賞を受賞したのはもうご存じの方も多いでしょう。ともにたいへんな労作。かなり悩みましたが、なんとか言葉になった、か。

 大阪府建築士会の『HIROBA』での「御杖小学校」の取材記事の校正。これもなんとか言葉になった。

 岡本の住宅は某誌掲載決定の連絡あり。 これはちょっとした試験を受ける気分なので、やはり嬉しい。

 16・17日(土・日)は八幡浜に行って来た。ある企業のPR誌が日土小学校を取り上げてくれ、愛媛大の曲田先生と対談。ずいぶん頭の整理になった。地元の方々とのミーティングもあり収穫大。

 23日(土)は1年生と学科教員とによるフレッシュマンセミナー。みんなで淡路島に行き、野島断層保存北淡町震災記念公園や安藤忠雄設計の淡路夢舞台などを見学。最後に国際会議場を借りて簡単な発表会をしたが、ポイントを押さえた内容をきちんと話せる学生が多く、とても感心し、安心した次第。歩きながら学生ともいろいろ話したが、大学は楽しい、授業が面白いという感想が多く(本当ですよ!)嬉しかった。「夢舞台」は初めて訪れたが、予想通りの巨大さと空虚さ。ホームページによれば第三セクターの会社として運営されているようだが採算はとれているんだろうか。

 今日のお薦め。『高知遺産』という本です。例の沢マン関係の方が編集をし、高知に暮らす30人のアーティストが高知県内の様々な風景や生活を記録した貴重な本です。編集も写真も素晴らしい。実家の近くの路地や建物も載っていて懐かしい。ここの通信販売で手に入ります

 もうひとつ。国立民俗学博物館「きのうよりワクワクしてきた」展。今日行ってきましたが、実に楽しかった。ブリコラージュという視点でアートと民博の収蔵品が出会う。会場の空間構成が素晴らしいです。

2005年-4月14日(木)

 あっという間に4月も半ば。春休みはないも同然で終わり、6日の入学式に始まる魔のオリエンテーション週間も終わり、11日の月曜日から授業が始まっています。毎年のことですが、いつ躓いてもおかしくない状態で滑走し始めた状態。なんとか早く連休に逃げ込みたい。

 この2週間弱、けっこういろいろなことがあった。
・「宿題1」は今月末から書店に並びますが、その販促活動(笑)のための企画を編集者Nさんと決定。近々まとめてお知らせします。
・岡本の住宅は引っ越し完了。
・すごい住宅2軒を紹介する某誌の原稿に頭を悩まし続け、それでもなんとか書き終わる。しんどかった。編集者の方からは合格のお返事。安心。本日、校正を返す。連休明けに出る『CONFORT』です。お楽しみに。
・青木君の御杖小学校の取材レポートのゲラが今日届いた。インタビューされて話すってのは難しいな。
・西宮の御前浜の整備計画は今年度も続くのですが、その具体的な進め方の打ち合わせをやった。面白くなりそう。学生諸君、協力をよろしく。
・新ゼミ、スタート。今年は前川國男生誕100年展が予定されており、それのお手伝い仕事が研究室の大きな仕事。そんなこんなのスケジュール等を話す。
・大学の入試・広報関係のお仕事、いろいろ。大学のホームページで発表しているとおり、神戸芸工大は、来年度から新学部をスタートさせる予定です。なので、昨年度に続き今年度も大忙し。

 ともかく4月のキャンパスはよいものです。
 2年生向けの最初の講義では、終了後、建築好き男の子からいろいろと質問を受ける。こういう雑談がなにしろ楽しい。
 1年生もぼつぼつと挨拶をしてくれる。こうやってお互いだんだんと慣れていく。


 以上、取り急ぎ。いくつかの話題は、順次内容をふくらませていきます。

2005年-4月2日(土)

 午前中、再度岡本の住宅の撮影に(もちろん自分のカメラの)。昨夜、自分で撮った映像を眺めたら、大事な空間がすっぽり抜け落ちていた。プロの横でちょろちょろ撮っていたので、邪魔にならないようにとか思っているうちに撮るのを忘れていた。引っ越しは明日。いよいよ手を離れます。

 午後は大学へ。広報と入試関係の急ぎ仕事。メールボックスに、カモメ嬢からCDが届いていた。花田研の秋頃から卒業式までのいろんな画像
(含む動画。謝恩会のまつけんサンバなど)が納められていた。ありがとう!
 掲示板には卒業式の日の写真が大量に投稿されています。ぜひご覧あれ。


2005年-4月1日(金)

 岡本の住宅の竣工写真の撮影。建築社写真家のSさんにお願いした。花田研卒業生のM君と木村研卒業生のM嬢に、見学も兼ねて終日撮影補助係をつとめてもらった。引っ越し前なので片づけも少なく、てきぱきと進む。こちらはデジカメで撮影。夜景も三脚をたてるとけっこうよく撮れた。
 この住宅をどう説明するんだろうと考えたりするが、あいかわらずとくに「テーマ」のようなものはない。しかし出来上がった空間を体験して、予想どおりに、あるいはそれ以上に、敷地の特性を活かすことができたという感じがしている。岡本の斜面地、遠くに見える海、隣地の高い崖、隣接する神社の緑。そういった状況を活かし、敷地がもっている潜在的な可能性を具体化できたのではないだろうか。