Logbook:Yoshiaki Hanada
2003年12月

花田の大学での暮らし、設計活動、日々の思いを記録します。
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2003-12月31日(水)

 更新をしないまま大晦日。この1週間はなんとなく過ぎてしまった。
 26日(金)には、例の梅干し屋さんプロジェクト関係のパーティ。元気な女性陣が集合。27日(土)は大学へ。他大学からの大学院希望者のかたと面談と4年生の卒計の相談。家では大掃除を少しずつ進めるも、下の子が反復性耳下腺炎になり予定が狂う。宿題1はさっぱり進まず、かろうじてレフェリー論文の講評と年賀状を仕上げる。
 子供は3日ほどで立ち直り、本日は自分の部屋の掃除の仕上げ。やりだすとだんだん深みにはまり、レイアウトの変更を始めてしまう。まず、先日の1階のレイアウト変更で2階の僕の部屋に戻ってきたテーブルの脚をノコギリで切る。当初、食卓以外のテーブルは窓の腰高に合わせて71cmとしていたが高すぎた。結局、家中のテーブルを食卓に合わせて65cmに縮めた。これがちょうどいい。とくに例の豊口克平の椅子にはぴったりだ。昔から使っているトーネットの曲木の椅子の脚も自分で切った。
 自分の部屋のレイアウトは今までで一番いい、と思ったら、何のことはない、大学の研究室と同じパターンだ。細長い部屋の一番奥に入り口に向かって座るタイプ。本棚もかなりいじって、満足。
 なお昨日は、吹き抜け上部のはめ殺し窓の後ろに入れているポリカツインの引き違いも掃除した。脚立をたて、ひとりではずして拭き元に戻した。吹き抜けとつき合ういい経験になった。
 ともかく家中の家具のレイアウトがやっと落ち着いてきた感じで、この年末の収穫である。

 イランの大地震。死者は4万人とも5万人とも言われている。誰しも考えたことでしょうが、イラクへ向かう予定の自衛隊機の武器を救援物資に積み替えイランに向かえという命令を出せない首相の情けなさ。

 今週の週刊朝日の読書欄が「胸が痛くなる 最高の恋愛小説」という特集。いろんな作家がいろんな小説を紹介している。高橋源一郎の「どうも、最近読んだものより、昔に読んだものの方が面白かったように思えるからだ。それは、たぶん読むこちら側がいまよりずっと、恋愛に関して「うぶ」だったからだろう。いつ、あるいは、何歳の時に読むかで、恋愛小説の順位は決まってくるのではないだろうか?」と書いている。うんうん、その通りだなあ。高橋が挙げたのは、『荒れた海辺』(ジャン=ルネ・ユグナン)と『伽や(=椰を人べんに変えた漢字)子のために』(李恢成)。「昔によんだもの」とはいえ、ともに版元品切れは残念。
 僕からは、なだいなだ老人党のあのひとです)の『しおれし花飾りのごとく』と畑山博の『海に降る雪』の2冊。いずれも教養課程の時に単行本で読んだ。ともに文庫化されたようですが品切れのようです。『しおれし花飾りのごとく』は装丁がとても良かった。実家に置いてあるので確認できないけど、新書よりひとまわり大きく全体が真っ白でそこに小さくタイトルが書かれていた。柔らかいビニールカバーがついていて、その感触をよく覚えている。いわゆる「胸がつぶれそうに」なった本です。今の学生諸君はどんな小説にそういう思いを抱くのだろうか。

 あっというまの1年。去年の今日は帰省の途中で丸亀城に寄ったのでよく覚えている。あれから1年。早いなあ。
 やって来る仕事は何とかこなしたけど、内発的な仕事ができていないというのは毎年の反省。
 <来年の目標>
 ・宿題1の完成(来年というか、ほんとは正月明けだ)。

 ・日土小学校の保存改修関係の仕事をきちんとやる。
 ・設計中の住宅が来年末竣工予定。これをきちんとやる。
 ・10年越し(!)の宿題を書く。
 ・数年越しの宿題を書く。

 というわけでそろそろ真夜中。この1年、いろいろとありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
 4年生と修士2年生は、卒計、修論、修士設計に燃え尽きてください。

2003-12月24日(水)

 年末の学務に追われ、講評会が3つ続き、あれやこれやでややダウン。本日は休憩モード。
 三宮に行ったついでに、芸工大の学生作品を展示・販売しているセレンディップへ。クリスマス企画でなかなか可愛い飾りつけになっていた。クリスマス用に小さなろうそくを買いました。新聞やテレビでもずいぶん紹介されている。今日は、偶然立ち寄ったらしい女性が神戸の情報を掲載するホームページの仕事をしているとかで、とても興味をもち、再取材したい旨を店員さんに伝えていた。いいぞいいぞ。 今日は都合で職員のかたでしたが、いつもは芸工大の卒業生の女性が2人お店を切り盛りしています。売れ筋を聞いてみると、デザインと値段が微妙に関係していて興味深い。ビー玉を使った2000円のランプシェードは人気商品で制作待ちとか。
 ちなみに、このお店がはいっている高砂ビルには面白いお店が集まっています。神戸にお越しの際は、皆さんもぜひお立ち寄りください。

 気分転換にリビングの使い方を変えてみた。上の子が、吹き抜けの部分に置いた大きなテーブルで勉強からなにから全部やる。食事もそこ。必然的にごちゃごちゃになる。
 そこで、天井の低い部分にそのテーブルを戻し(完成当初はそうしていた)、食事の場を独立させた。そして、吹き抜けの部分には2階からJパネルで作った別の細長いテーブルを降ろし、低いスチール棚を添えて勉強コーナーをつくってみた。そうするとソファーの置き場に困るのですが、いわゆる応接セット的にではなく食事テーブルの近くに置いて休憩場所のようにした。これでどの場所も使い切った感じになり、けっこういい感じになった。
 夏は吹き抜けの下で庭とも近い感じの場所が気持ちよかったけど、冬は低い天井の下で外から少し遠くにいるのがいいですね。住居内の引っ越しはけっこう楽しい。

 ・・とまあ多少きれいになったところでクリスマスイブ。庭のオリーブの木にほんの少し電飾。侘びしいくらいのこの感じがいいと思うのだが、ご近所には何日も前から大変派手なイルミネーションをしているお宅が何軒かある。通りをはさんで複数のお宅が共同でやっていると思えるとこまである。まったく理解できないセンスです。

 宿題1がらみの緊急の仕事でメールと電話。
 『男性誌探訪』は、もうひとつパンチ不足だけど、ひとことでその雑誌の特徴を表現する才能は相変わらずすごい。

 研究室のホームページの表紙が変わりました。人間真空パック。実験台になっているのは、去年卒業した峯川君。京都府大の大学院にいる。あいかわらずおかしなやつです(笑)。
 業務連絡。なかやくんへ、だんだんよくなってきました。OK!もうちょっとこめんとがついていたほうがおもしろいかも(展覧会の情報とか)。

2003-12月23日(水)

 柳々堂さんから声がかかり、9月に行ったオランダのスライド会を大阪でやった。会場はここ。とてもお洒落で居心地のいい空間でした。20人くらいの方が集まってくださり、たいへん楽しかった。「内輪の会」と聞いていたので顔見知りの建築関係者が集まってるんだろうと思っていたら、柳々堂さんネットワークで初めての方ばかり。これがまた新鮮で嬉しかった。終わってからは京町堀散歩。いろいろと新しいレストランやギャラリーやらができている。そのうちのひとつのパン屋さん(Boulangerie Takeuchi)のカフェで休憩。こんな街中に住むのも楽しいだろうなあ。

2003-12月22日(火)

 大学へ。院生S君と打ち合わせ。宿題1がらみで緊急の仕事が降ってきた。
 他研究室の4年生Aさんが卒業制作の相談に来る。
 『暮しの手帖保存版 花森安治』。文字も絵もぎっしりで、読み応え、見応え十分。必読、必見!

2003-12月21日(日)

 九州芸工大へ。20分の1で住宅の模型をつくる恒例の課題の講評会。九大との合併を終え、これが九州芸工大として最後の1年生だ。今年は、はじめの1週間で100分の1の模型をつくってから20分の1に取りかかったせいか、とても良くできた模型ばかり。素材感の表現にまで工夫があって非常に面白かった。1年生の時に、ちょっとお祭りみたいにこんな大きな模型を作るのはいいなあ。 来年からは九州大学の芸術工学部としての入試がおこなわれる。学生さんのタイプが変わるのかどうか、興味津々。
Moller House/ロース
アニ・ホウス/アトリエ・ワン
ジラルディ邸/バラガン
立川のハウス/西沢大良
バルセロナパビリオン/ミース
コルビュジエ/ショーダン邸
住吉の長屋/安藤忠雄

2003-12月20日(土)

 3年生の最終講評会。10時から夜まで。途中、キャンパス見学会の対応も。熱心な女子浪人生と話し込む。

2003-12月19日(金)

 卒業制作の中間発表会。1時から夜まで。

2003-12月18日(木)

 連日会議続き。学科のこと、大学全体のこと。忙しいし難しい。

 先日書いた『モダン都市の読書空間』はとても面白い本で、著者の永嶺重敏さんの前著『雑誌と読者の近代』も手に入れようと思って検索したが版元できれていて、がっくりしながらさらに検索しているとオンデマンド版が出ていることが判明し、注文したら宅急便で3、4日で
届いた。すべてインターネット上のあっという間の作業。便利な世の中だ。
 でたら必ず買ってしまう斎藤美奈子。数日前に『モダンガール論』の文庫版、昨日は『男性誌探訪』。前者の「解説」は斎藤の成城大学時代のゼミの先生。この文章がとてもよかった。彼女は文学部ではなく経済学部の出身だ。農村婦人問題の歴史が卒論のテーマで、そのあたりと今の彼女の活動とをうまくつなぎ、しかも師の愛に満ちた解説であった。
 今日は『消えゆく同潤会アパート』と『10+1』No.33

 4年生は卒業制作を始めている。とにかく問題を見つけなくてはいけない。新しい問題を僕らに見せつける解答でなくてはいけない。

2003-12月15日(月)

 久しぶりにまとまった時間がとれ、終日、宿題1を書いていた。少し進んだぞ。が、しかし、ふくれているのは出だしの部分でありまして、いったいどんな大長編を書くつもりなんだと自分で自分に問いかける、と。

●13日(土)は、新開地の神戸アートビレッジセンターで、制作で大学院を修了する予定のひとたちの中間発表会。内容はもうひとつだった。やり方も含めて来年は要検討だな。何の催しのためかはわからないが、若い人が行列してたぞ。いいことですね。こういう小劇場、小映画館へ日常的に足を運ぶ習慣はとんとなくなってしまった。学生の頃、駒場で見た有名になる前の野田秀樹、下北沢の三百人劇場、渋谷パルコの安部公房、寺山修司は晴海の貿易センターでの「百年の孤独」と渋谷のジャンジャンでの「観客席」、映画は銀座並木座や池袋文芸座と文芸地下・・。ああだめですな、懐古的になっては、とか思っていると、青木君のホームページ掲示板に「百年の孤独」の話があり思わず書き込んでしまった。
●14日(日)、山隈君とやっている住宅のクライアントと打ち合わせ。今日で基本設計が了承される。なかなか面白くなってきたぞ。モダニズム・リディスカバード、ってとこか?!

 昨夜のasahi.comでフセイン拘束のニュースを読んだ。今朝は朝日新聞は休み。夕刊に大きな顔写真。全身像ではなくリアルで大きな顔写真がすごく不思議な印象を生んだ。アメリカからの一方的な情報であることの象徴のようにも思われた。なあんて考えていると、勝谷誠彦は相変わらずすごい解釈を披露している(12月
14・15日)。たしかに自衛隊派遣と忠臣蔵とに重なるわけだから、あってもおかしくない話かも(笑)。実はずっと前に拘束されていて、アメリカの不利な状況が続くここぞというときに公表したという推理である。

 夕方からぐっと寒くなった。19時頃で、外は5℃、床暖房とガスファンヒーターのリビングは19℃。

2003-12月11日(木)

 ちょっと間があいてしまいました。いろいろと忙しい1週間。

●12月7日(日)は東京へ。DOCOMOMO Japanの第1回全体会議に参加。会則等の協議がなされ、いよいよ正式にDOCOMOMO Japanがスタートしました。会員募集やホームページの立ち上げなども近々おこなわれる予定です。お楽しみに。
 この会議の前に菊竹清訓さんの「スカイハウス」の見学会もおこなわれた。菊竹さんがすぐ横にある事務所でお話しくださり、ドコモモのメンバーがぞろぞろと見学。ピロティ下はずいぶんと増築されているが、2階の例の空間は元の様子をよく残している。「元の」といっても、もちろん最初期のPタイル貼りで台所から寝室までがワンルームの中にあった状態からはすっかり改装されている。『藤森照信の原・現代住宅再見』に載っている写真が現況を一番よく伝えていますね。宝形の天井の下に白い壁が一枚立ち、その手前に大空間。藤森さんは「阿弥陀堂建築」と呼んでいた。今は生活空間ではなく接客の場らしい(菊竹さんはもうここには住んでおられない。ピロティ下の増築は御子息の家族用住居)。帰ってから、周囲に建物もない当時の写真を見直し、改めてすごい発想だと感じ入った。  


 これ以外の日は、ゼミ、3年生の実習、学内の委員会、入試・広報関係の用事、早めの忘年会ひとつ、卒論の副査分読破と採点などでばたばたでした。
 今日は、千里ニュータウンの小学校のことを書いた文書の掲載誌が届いた。大阪建築士事務所協会の『まちなみ』12月号。「関西のモダニズム建築」というシリーズの36回目。「千里ニュータウンの幻の学校」というタイトルにしました。この連載も今月で終わりらしい。手に入りにくい雑誌なので、36もの記事のうち僕も読んだのはごくわずかしかない。ぜひ本にしてほしいなあ。
 久しぶりに本屋へ。『住宅建築』12月号、『神戸のハイカラ建築 むかしの絵葉書から』『モダン都市の読書空間』『読書欲・編集欲』『なぜ私たちは過去へ行けないのか』。どれも面白そうだ。

 以前書いた『ららら科学の子』、最近やっと読んで感激した。今年の大きな収穫。ここではいろな議論あるみたいだけど。

 イラクへの自衛隊派遣準備が着々と進められている。どう考えても侵略戦争としかいえないアメリカの行為の援助である。こんな筋の通らない論理で、命を落とすかもしれない行為を他人に強いることのできる小泉とは何者なのか。自衛官よ、個人主義になれ、脱走しろ、死にたくないと言ってくれ。

 業務連絡。研究室のホームページの表紙の写真、変えるならもっと面白いのにしておくれ。フォーイグザンプル。この表紙は毎日変わっている!

2003-12月4日(木)

 3年生のエスキース。事務方とあれやこれや。夜は、芸工大でSUPER-OSの吉村靖孝さんのトークセッション。

 最近知ってびっくりしたサイト。大学院助手の柳沢さんが日記で紹介していました。

2003-12月3日(水)

 学内の委員会、学科会議、布野修司さんの特別講義。
 大学のこれからの戦略をどうたてていくのか、難問。

2003-12月2日(火)

 3年生のエスキース。M1・N君の修士制作中間発表会メモ、ぎりぎりまで訂正。文章の執拗な校正は論理の明快さへの道。

2003-12月1日(月)

 オランダで撮ってきた写真の上映会。ゼミ生以外の参加者もあり、よかった。オランダに一緒に行ったH大学S先生やN大学4年生で松村正恒についての卒論の相談に来たI嬢も参加。S先生は、車窓から撮ったビデオを流してくれた。こういう映像が一番リアリティを感じさせますね。終了後は、買ってきたオランダ本の紹介など。いろんなひとが混ざってわいわいというのが一番楽しい。8時過ぎまで院生の修士設計の相談にのって本日は業務終了。
 メイのアメリカ日記に、身近なところにイラク帰りの兵隊がいた話が書かれていた。彼女も久しぶりに帰国するらしい。

 日土小学校での木のフォーラムの記事が、地元の愛媛新聞に掲載された。11月27日と28日の2回に分けて、しかも、28日には「フォトえひめ」という欄に大きく校舎の写真も載った。とても良い記事にまとめてもらっている。日土小の保存改修の動きを地元の人たちが理解してくれるきっかけになるといいな。11月6日の八幡浜新聞にも載っている。