Logbook:Yoshiaki Hanada
2003年11月

花田の大学での暮らし、設計活動、日々の思いを記録します。
御意見、御感想等ありましたらこちらまで。研究室TOPはこちら

2003-11月30日(日)

 昨日と今日でオランダで撮ったデジカメ映像を整理した。明日、ゼミで上映会です。13時から2時間程度。ファンネレ工場とゾンネストラールの保存改修の様子などはまだ日本で紹介されてないのでは。興味のある方はぜひどうぞ。環境デザイン学科棟1階の講義室です。
 副査担当の卒論をまとめ読み。ふー。

 イラクで日本の外交官2名が射殺された。だからこそ自衛隊派遣を中止するのか、だからこそ派遣するのか、どちらの道を選ぼうが小泉政権の見通しの悪さの証拠でしかないだろう。アメリカと心中なんかしたくないぞ。
 H2ロケットはローテク部品の欠陥と思しき理由で失敗し、足利銀行は破綻し、大阪市長選の投票率はわずか33.31%。

2003-11月29日(土)

 『植草甚一コラージュ日記1[東京1976]』『植草甚一コラージュ日記2[ニューヨーク1974]』『清水幾太郎』。植草の本は手書きの日記の再録だ。インターネット時代に彼が生きていたらウェブログを彼も書いたのだろうな。僕は学部生の頃、世田谷の小田急線・豪徳寺と経堂のあいだに下宿していた。植草さんの家もたしかその辺で、経堂の古本屋で一度だけ見かけたことがある。「東京1976」はまさに僕が20歳の年。ちょうどその下宿時代だ。あの頃、ビニールカバーのついた晶文社の『植草甚一スクラップブック』シリーズは、本屋にずらっと並んでいた。でも結局僕は1冊も買っていない。美術出版の『植草甚一主義』という大判の写真集のようなものはもっている。正直言って、ああいう世界がまだわからなかったんだろうなあ、と今は思う。学生諸君は植草甚一とかJ・J氏とかいってもわからないだろうなあ。自分で調べてみてください。
 『清水幾太郎』は小熊英二の新しい本。伝記の書き方の参考にしようと思って。宿題1はそんな仕事なんです。それにしても清水がこんな貧困の中からはい上がった人だとは知らなかった。

2003-11月28日(金)

 教育で半日。

2003-11月27日(木)

 3年生の課題の中間講評会。学科の会議。

2003-11月26日(水)

 大学院でM1、M2の修論の中間発表。論理性の欠如と呼ぶのは大げさすぎるほど基本的な間違いを犯す人がいる。高校までの数学を思い出してほしい。AならB、かつBならCではじめてAならC、なのだ。
 夜は大阪。山隈君の事務所へ。住宅の打ち合わせで深夜1時となる。

2003-11月25日(火)  http://www.aokijun.com/

 3連休は宿題1に励むも、本質はなかなか見えてこない。ほめるしかない人について何かを論じるって難しい。

 本日は3年生のエスキース。大規模な建築単体の設計は学生にはなかなか難しいが、今年はけっこうさまになったスケッチをもってくるやつがいて楽しい。いろいろ雑用。M2のS君と修論の話。明日は中間発表会。

 dezain.netの「今週のデザイン情報 VOL.184」が配信されていたが、そこに青木淳君の事務所のホームページの情報があった。そうかホームページつくったんだ。でもなあ、もう少し完成してからアップしろよ(笑)、青木君。あ、それから、僕みたいに老眼で、iMacの
画面を800×600 で見てると、最初に出てきて画面の左下でびよ〜んびよ〜んとしている「jun aoki」を押そうにも、画面の中に現れないのですね。まあ、2、3秒したら次の画面に勝手に進むからいいけどさ。BBSもあるぞ。みんなー!道場破りに行ってこーい。

2003-11月20日(木)

 3年生のエスキース。設計する施設の内容を自ら構想しないといけない課題です。助け船を出しすぎてもいけないのだろうが、ついつい浮かんでくるアイディアをべらべらと喋る。卒論、主査分の査読終了。こんどは副査分。
 宿題2のゲラを校正。宿題1は進まず。全体の構成のイメージがつかめない。

2003-11月19日(水)

 学科会議、教授会。
 『サステイナブルシティ』『柳宗理 エッセイ』『そうだ!建築をやろう』『「都市再生」を問う』『東京遺産』『書きあぐねている人のための小説入門』。

2003-11月18日(火)

 2年生の住宅の設計課題の最終講評会。3年の担当課題のエスキースもあったので全部は見ることができなかったが、上出来という印象で頼もしい限り。外部からは吉本剛さんが非常勤講師で参加してくれている課題です。彼は教えるのとってもうまい。ワインパーティー終了後、作品を見ることができなかった何人かからコメントをくれというリクエスト。お座敷がかかるうちが華です。さっそくあれやこれや喋りまくる。非常に面白い空間をデザインできている人が何人もいて感心した。僕は学生の頃、こんなに3次元的に空間を把握できていなかったなあ。感心することしきり。

2003-11月17日(月)

 15・16日は松山に行って来た。9時23分の新幹線に新神戸で乗ると12時7分に松山に着く。近くなった。宇高連絡船に乗るのに宇野や高松の国鉄のホームを走ってた時代は遙か昔だ。 建築学会四国支部の中につくられた委員会に参加し、日土小の今後を考えている。15日に委員会、16日は愛媛大学の曲田先生と松村さんのお宅を訪ねた。残された資料の整理を始めるためだ。奥様に日土小のことなどを報告。保存改修方向で少しずつ前進しています。初めて日土小を見たのが1994年だったと思い出し、これまた10年近く前じゃないかと感慨に浸る。いい仕事にしたい。

 往復の電車では『田中小実昌エッセイ・コレクション6 自伝』を読んだ。感動いたしましたっ!世界中のすべてのひとに薦めたい。
 軍港・呉での少年時代から、戦時中の中国での壮絶な体験、終戦後の混乱の中でのストリップ劇場やテキ屋の仕事。どんな状況の中でも田中小実昌・コミさんが人間に注ぐ切ない視線は変わらない。解説は鶴見俊輔。田中を「哲学者」と位置づけ、しかも多くの知識人の言説は「メンコ勝負のおもかげ」をもつにもかかわらず、田中はそのような「インテリ・メンコに参加せず、ものごごころついてから同じ哲学を生きている。この人個人の哲学史は、ずんどうの形をしている。私にとっては、そこのところに感銘があった」と評価している。さらに最後は、「田中小実昌の自伝を読んで、私は宮本武蔵を思いだした。『われ、ことにおいて後悔せず。』/われらの同時代のインテリ・メンコにあきない面々は、ことごとに反省しすぎるのではないだろうか。日本論壇史の中に田中小実昌を置くとき、私に残るのはこの感慨である。」と絶賛する。鶴見俊輔が「日本論壇史の中に置く」んですよ。読んでみるしかないっしょ!

 考えてみるとこのところ休みがまったくなかった。身体は正直。本日はちょっとダウンした。鼻のど風邪、ぶり返し気味で病院へ。待ち時間が長く、お陰で『永遠の吉本隆明』読了。橋爪大三郎の語りを文字起こししたお手軽本だがけっこう面白かった。さすが橋爪は要約が上手い。「吉本サブカルチャー論とオタク的大衆文化研究の相違」という章が面白かった。建築界のオタク的評論家にも通じる話が書いてある。
 宿題1、なかなか進まず。あせってきた。

2003-11月14日(金)

 非常勤校での講評会。今日の僕の発言の中からひとつ。とても器用で熱心な学生で実にきちんとした図面なんだけどまったく僕は興味をもてないそういう作品について、「君の案がどうして面白くないかというと、その図面に示された解答からは、君が自分に課した問題を僕には想像できないからだ。おそらく君自身もできなんじゃないか」。
 明日、明後日は松山。日土小学校の今後を考える委員会です。

2003-11月13日(木)

 3年生のデザイン実習。第2ステージにはいり、自分たちで決めたマスタープランのなかの主要施設を詳細設計する。今日は非常勤の先生によるレクチャー。
 修論、打ち合わせ。
 『永遠の吉本隆明』『田中小実昌エッセイ・コレクション6 自伝』『CASA BRUTUS no.45』『20世紀の空間デザイン』。『CASA BRUTUS』は「「スローアーキテクチャー」に注目!」という特集。でもなあ、ズントーの作品や八王子セミナーハウスはスローアーキテクチャーだと言ったところでなあ・・、なんになるんだろうなあ・・。ズントーのアトリエの庭の写真がいいので購入。青木君の東京モーターショーの仕事も紹介されていました。それにしてもお手軽な本ばかり買ってるなあ(笑)。

2003-11月12日(水)

 午前は学内の委員会、午後は大阪の某高校で出前授業。例によって、図面や模型を車で持ち込んだ。優秀な高校生たちよ、建築や都市のことを考える面白さに目覚めよ!

2003-11月11日(火)

 卒論発表会。全身全霊を賭けた、という感じのがあまりないんだよなあ・・。

2003-11月10日(月) [3657]

 宿題2、完成。大阪建築士事務所協会の『まちなみ』の「関西のモダニズム建築」というシリーズです。昨年も11月号に「『正面のない家』再読」という論文を書きましたが、今度は12月号。「千里ニュータウンの幻の学校」というタイトルです。ちょっと意味ありげ(笑)。お楽しみに。さて、次はいよいよ大物の宿題1へ本格復帰。

 明日は卒論発表会。4年生はその準備で慌ただしい。提出された本編も僕の手元に届いた。これから10日間でまずは主査(=私)が自分の研究室の分を読む。さっと見たところでは、完成度の差が例年になく大きい。こういうのが一番困る。完成していないものをどう採点しろというのか。
 科研の書類提出、学内の共同研究のまとめ書類作成。
 修士設計をやってるM君と話す。彼がつくったいくつかの模型を見ながら僕の中にわいてくるイメージや言葉を話す。そのうちにそれらが勝手に走り出す。アドバイスというより、自分が設計している気分になって浮かんでくるものをすべて話す。

 昨日の選挙の投票率は59.86%。戦後2番目の低投票率だそうだ。なんてことだ。さっそく勝谷誠彦は「私たちはこの国に財政以外のもうひとつに不良債権があることを知ったのだ。愚民という不良債権。」と強烈に批判している(11/10)。ちなみに偶然ゼミ室にいた4人の学生(全員投票権あり)の投票率は75%。

2003-11月9日(日) [ ]

 終日、宿題2。神よ降りてきてくれ。肩と背中がぱんぱん。
 衆議院選挙。民主党善戦するも保革逆転にはいたらず。

2003-11月8日(土) [ ]

 午前中は、6年生の子供の音楽会。小学校最後だ。舞台に並んだ子供たちを見ていると、みんな大きくなったなあ、としみじみ思う。
 そのあとはひたすら宿題2。久しぶりのまとまった時間。やっと先が見えてきた。ふだんいかに断片的にしか時間がないかという証拠だな。
 『住宅建築』11月号の書評頁に、鈴木成文先生の『文文日記』が紹介されているのを発見。最後は「神戸芸術工科大学の一員となった気持ちになり、親しみを増す」と書評子は書いておられる。その言葉に、僕自身もあらためてこの大学がもつコミュニティ感覚の面白さに思いを馳せ、大学って何だ、と唐突に思う。
 注文していた『自分の仕事をつくる』が届く。ふーん、著者の西村佳哲さんはこんなひとなのか。デザイン教育とも深い関係がありそうだな。職業を開拓することなしには新たなデザインってありえないだろう。仕事研究も一昔前の『就職しないで生きるには』とは少し違う感覚なんだろう。昨日も、芸工大の卒業生が大学に来ていてちょっと話したけど、東京でグラフィクデザインの仕事を一人でやりながら、少しずつ友人たちとのつかずはなれず事務所を立ち上げて行く夢を語っていた。とてもいいことですね。日本や世界の経済状況が大きく変わりつつある現在、高度成長期のドロップアウトとしての「就職しないで生きる」感覚と、どこかが違うのだと期待したい。
 明日は選挙だ。今朝の新聞の某政党のこま割り広告で「助けてください 救ってください」という文字と脂ぎったでかい顔写真とを載せたやつがいた。すごいね。投票を義務化する法案を通せないものか。
 さて宿題2の続きだ。

2003-11月7日(金) [3999]

 3年生の実習の講評会。大きな課題の前半戦で、地域のマスタープランをつくるもの。不思議なことだが学年によってカラーが違う。この学年は努力型の人が多くエスキスの出席率がとても高い。おかげで、途中、かなりこちらの意見を言うことができたし、それをうまく反映してくれた案も目についた。足腰はかなり鍛えられてきた感じ。次はジャンプ力だ。

 『住宅建築』11月号。先日亡くなった編集者・立松久昌さんの追悼記事が掲載されている。僕は9月28日に書いたようなわずかな機会でしかお目にかかれなかったが、しかしその竹を割ったような人柄は強烈な印象として焼きついている。あの人に見られているかもしれないからちゃんとしておかなくては、そう思える方がひとり減った。

 『都市のかなしみ』『建築の向こう側』。
 久しぶりに『GA JAPAN』(No.65)を買ってみたら目がくらむ思い。自分は建築業界に生きていないような気分におそわれる・・。

2003-11月6日(木) [6944]

 今日から4日間、推薦入試。初日の今日は環境デザイン学科で、入試委員の私は裏方で大忙し。
 昨日は卒論の提出日で慌ただしかった。締め切りからの逆算ができない人が多すぎる。H大学S先生と某研究の悪だくみ。
 一昨日は他大学の4年生の訪問を受ける。インターネットの検索で、われわれの研究室のホームページ内のある情報がひっかかり、それについてメールで問い合わせてきた学生さん。最近こういうことが3度続いた。うち2名はOK、1名はマナー不足。芸工大の学生も同じようなことやってるかもしれない。きちんとやろうね。
 その他、いろいろと大学の雑事に追われ自分の仕事はここしばらく止まったまま。頭がしっかりした状態の時間帯に自分の仕事の時間がとれない。とってもまずい。 頭の体力不足。

2003-11月1(土)〜2日(日) [12679]

 四国へ。
 11月2日、八幡浜市・日土小学校での木のフォーラムでのシンポジウムは大成功でした。とりあえず当日の様子を写真でご報告。木のフォーラムの専門家と地元の方々とがいっぱい集まり(130人くらい)、ドコモモでの評価から当時の大工さんの思い出話までさまざまな話題がでて、とてもいいシンポだったと思う。