Logbook:Yoshiaki Hanada
2002年11月

花田の大学での暮らし、設計活動、日々の思いを記録します。
御意見、御感想等ありましたらこちらまで。研究室TOPはこちら

2002-11月30日(土)

 夕方5時より大阪でアーキフォーラム「近代建築を旅する」の5回目・宮内嘉久「前川國男の求めたもの」に参加。宮内さんには一昨年、何人かの建築雑誌編集者へインタビューをおこなった際に初めておめにかかった。そのときは、編集者としての御自身の活動を話していただいたが、今日は前川國男について。お二人の強い関係については今さら説明するまでもないでしょう。お話の内容はこれまで宮内さんが繰り返し書いてこられたことからはずれるものではありませんでした。僕としては『建築の前夜』の解題の仕事に参加したとき、ちょうど前川が近代主義に疑問を抱き、迷いや悩みを綴った文章が担当だったので、今日もそのあたりについて考えさせられた。ところでこの本、ぜひお読み下さい。建築家の文章は難解だとかなんとかいう風評が吹き飛びます。講演終了後、宮内さん、永田祐三さん、松隈洋君と街へ。僕などには馴染みのない世界のいろんな話が飛び交った。出た名前は村野、白井、岩本、豊和、布野、そのあたり。うーん、濃いいなあ。

2002-11月29日(金)

 非常勤校へいく電車の中で先日書いた米本昌平『独学の時代』を読み終えた。途中に挿入された生物学史関係の論文は門外漢ゆえ理解できないが、大学紛争時の決意を持続する意志の強靱さには驚かされた。書き落としたこととして「終わりにかえて」の項で挙げられている「民間在野で研究をしている者なら必ずとらわれる、鬱屈した感情や大学研究者に対する過剰な身構えが、あまり書き込まれていない」という一文には、かつての自分自身を重ねてみたり、現在の自分を省みたりさせられた。ぼんやりしてちゃいかんのだ。

2002-11月28日(木)

 午後、3年生の実習の中間講評会。前半でつくった地区マスタープランのなかの、主要施設あるいは公園等をひとつとりだしそれの設計をしています。微細な敷地の読み取り派から誇大妄想狂までいて、なかなか面白かった。残り3週間。ぜったいにやり遂げてね。

2002-11月27日(水)

 終日、大学院生の研究の中間発表会。2年生は修士論文(修士設計)について、1年生はこれまでの作業の報告と今後の展望。とにかく、論理的な矛盾のない組み立てができていてこそ論文です。自分にしかわからないことを誰もがわかる言葉で書く。それに尽きます。誰でも知っていることを自分にしかわからない言葉で語っても無意味です。とにかく頭を使ってください。
 夕方6時からは学内の委員会出席のため退席。なんと10時まで。そのためわがゼミのM君の発表は聞けず。どうなったことか。 大学教育についていろいろなことを思う毎日。

2002-11月26日(火)

 3年生のエスキス。今年の学年は造形派もけっこういておもしろい。

 『空間表現論』という本が届いた。これは、大阪府建築士会の雑誌『hiroba』で京都工芸繊維大の古山正雄さんがをおこなった一連の対談をまとめたもの。建築以外の分野を含め、30名の人々と古山さんとの対談集です。磯崎さんから私のようなチンピラまでが登場するというトンデモ本。ただし京都造形芸術大通信教育部の教科書の一冊として作られたもので、市販されるのは来年3月頃らしいです(角川書店からの予定とのこと)。「空間表現論」というタイトルなのにただの1枚も図面や写真はありません。ぜんぶ文字です。しかし話し言葉なので読みやすく、通信教育の自習用としてはいいのかも。スクーリング等はあるとはいえ、通信教育で建築のデザインをどんなふうに教え、そして学ぶのか、僕にはうまく想像がつきませんが、少なくとも何年かにわたり確実に相当な数の人の目にふれるというのは興味深く、しかもとても恐ろしい事実です。ちなみに「空間表現論」で検索してみたら、さっそく受講生のかたのこんな感想がありました。

 昨日買った本、忘れてました、2冊追加。重村智計『北朝鮮データブック』、四谷シモン『人形作家』。後者は四谷シモンの伝記です。1960年代の青春!

2002-11月25日(月) 『独学の時代』

 読み終えた主査分の、つまりは自分のゼミ生の卒論をもって大学へ。次は副査の先生に読んでもらう番です。逆に僕には副査をする他の研究室の論文がとりあえず4編届いていた。さっそく読みました。卒論には主査と副査それぞれがコメントを書く紙が綴じ込んであって、副査の場合、主査がどんなことを書かれているかを読むのも楽しい。2年、3年とも実習課題の谷間のせいか、ちょっと大学が静かです。お陰で卒論読みの宿題はなくなりました。あと数編の副査がまわって     くる予定。さらに夜中には、掲示板に鈴木成文先生から卒論についての書き込みを発見!卒論漬けになった一日でした。
 リシャット・ムラギルディン『ロシア建築案内』、中村好文『続・住宅巡礼』、米本昌平『独学の時代』購入。『ロシア建築案内』は知らない情報満載の本。ロシアの建築の生写真がいっぱいです。『続・住宅巡礼』は例の企画の第二弾。設計者からの強いラブコールで「住吉の長屋」が一軒目ですが、中村さんのスケッチにも写真にも建物後部の図面にはない凹みが登場しないのは残念でした。
 『独学の時代』は以前何かの書評で見て買おうと思っていた本。三菱化成生命科学研究所で生命倫理などの研究に従事している有名な米本氏の自伝です。1946年生まれの著者が、大学に所属することなく研究を続けることで大学批判を続けた経緯などが記されています。真摯に勉強するとはどういうことかを問いかけられます。必読!

2002-11月24日(日)

 わが家でゼミのパーティ。みんなで鍋料理をつくりました。なぜかプロレスの場外乱闘までありました(笑)。子供たちもい〜っぱい遊んでもらって大はしゃぎ。みんなが帰るとき急に寂しくなった下の子が大泣き。


2002-11月23日(土)

 わが家「渦森台ハウス」に見学のお客さま。素敵な御夫妻で楽しい午後となりました。朝からどたばた掃除をして、お陰で家の中がすっきりした。子供のおもちゃを2階に集めるアイディアが浮かび、間の抜けていた「フリースペース」がもっともらしくなってきた。家の中での「引っ越し」ですね。これは一昨日「BARN-5」の奥様からでた言葉でもある。いろいろな場所で暮したい。その願望を家の中で果たせる家。
 掲示板に筑波大の志村嬢から便りがあった。嬉しいなあ。
 明日は2時から
わが家でゼミのパーティー!下の子供が、お兄さんお姉さんに遊んでもらえるのをとお〜っても期待しています。よろしくねー(笑)。
 提出された卒論を熟読中。主査分は先週末が締め切りでしたがちょっとフライング。明日には完了予定です。

2002-11月22日(金)

 非常勤校へ。水曜日につづいて教育についてあれこれ考えることになった一日。

2002-11月21日(木) BARN-5

 午前中、大学の共同研究の一環で、吉本剛さんが設計した「BARN-5」におじゃました。住み手の方と吉本さんへのインタビュー。じつに楽しい2時間でした。住み手と設計者のあいだに、羨ましくなるほど幸福な関係がありました。住まい方が見事です。

2002-11月20日(水)

 学科会議、教授会。終了後、大阪へ。建築学会関西支部計画部会の「大学院における設計教育をめぐって」という研究会に参加した。会場は新装なった大阪中央公会堂。設計教育を考えると建築家あるいは設計事務所という職能の今後のありかたへと思いが広がらざるを得なくなる。そういう仕事がこれからどう変わるのか、変わるべきなのか。NPOとしての設計事務所はあり得ないのか。いろんな難問がありますね。そういったことを射程にいれずにいくら教育を論じてもダメだろうなあ。出席された関西の大学の先生方から各大学での建築教育の一端が紹介され、わが芸工大といろいろ比較。

2002-11月19日(火)

 午後、2年生の「住宅」の課題の最終講評会。2時40分からは担当している3年生のエスキスなので途中まで出席。図面をきちんと書けない学生が多い。構法や矩計的なことをもっと教えるべきだと痛感。空間や家族関係やらをいろいろと想像することはできても、そのイメージを図面で表せなくては何にもならない。3年生はまだ「絵」がでてこない。 大学院の方の中間発表会も近づいてきて、M1・2のゼミ生の相談にのる。
 掲示板の方に書き込まれましたが、芸工大の学生が多数参加して建設された「まちなか倶楽部」の建物が、第17回神戸景観ポイント賞市民活動賞を受賞しました。おめでとう。まちなか倶楽部については西出町のHPを御覧下さい。大学が町とが上手くつながった実践です。
 『新建築 住宅特集』12月号。「200号記念号」とあったので思わず買ってきた。パラパラやっていたら、200冊の誌面から印象に残った住宅を語る「200号から見通す住宅の現在」というコーナーで、室伏次郎さんが僕の「拡張された住宅」という論文を取りあげているのに気がついた。とても嬉しい。とくに室伏さんなのでさらに嬉しい。お会いしたことはないけど、学生の頃からのファンです。それから、竹原義二さんの自邸も掲載されている。吉本剛君がインタビューしたとか研究室の院生の家が近所だとかいうことがあって、噂に聞いていた建物である。すごい。素材へのこだわりは僕にはとても真似のできないものだが、集落をコンパクトにまとめたようなプランに共感。

2002-11月18日(月)

 パソコンに向かって原稿書き。林雅子展の感想文と科研レポートの分担箇所。
 姜尚中・森巣博『ナショナリズムの克服』と丸山明日果『歌声喫茶「灯」の青春』。ともに集英社新書。前者の森巣氏とは、この日記でも以前とりあげた『無境界家族』の著者。彼と姜尚中との対談です。しかもオーストラリアでの「酒池肉林」ならぬ「酒池清談」。面白くないはずがない。 最近見つけたこのページ。なかなか臨場感ある建築ナマ写真集です。再スタートの掲示板、まだ、シ〜〜ン(笑)。お題でも出さないといけないか。

2002-11月17日(日) 掲示板復活!

 いろいろな無料掲示板を探していたのですが、デザインと機能がそこそこOKなものがやっと見つかり、自分でごそごそいじっていたらアップすることができてしまいました。やればできる!自分をほめてあげたい(笑)。院生・村山君に仮復旧してもらっていたものと入れ替えました。ぜひ覗いてみてください。村山君、いろいろありがとう。
 今度のは写真は貼れませんが、レス形式のにしてあります。したがって、テーマ別のちょっとした議論もできると思いますので、どんどん書き込んできてください。

2002-11月16日(土)

 小学校あき教室プロジェクト。住民の方々の委員会で説明。研究生・松田君、院生・新宮君も同席。模型も大きなものを用意し、上々の反応。あとは行政との調整がどうなっていくかがポイント。なんとか実現したい。どうしても高齢の方が多くなる委員会に20代の学生が参加すると、とても良い効果がありますね。もちろん双方にとって。
 午後は、そのまま3人で、シーラカンスの小嶋さんの実家のオープンハウスへ。枚方市。シーラカンスの初期の作品・氷室アパートメントの向いです。面白かった。いずれ雑誌に載るでしょうから写真は貼れませんが、言葉で説明すると・・、まず片側コアのオフィスの基準階平面図を想像してください(コアが平面全体の端から端まである)。次にそれを細長く引き延ばし、半分をクネッと少し折り曲げる。そんな平面です。面白いのは、コアの中に水まわりだけでなく4つから5つほどの個室的な場所が分散配置されてること。コアの短手の幅は1間です。そして、それぞれの個室のあいだに、玄関、井戸!、台所、洗面・便所・風呂、納戸が交互にはさまり(いずれも幅は1間)、それらを通過しながら互いに行き来ができるというわけです。で、その外には、オフィスの事務室部分に相当する居間的空間が長くはりついている。「レンタブル比」は60%くらいです。さらにミソは、基本的には平家なんだけど天井高が4mほどあり、コア内には何か所かロフトがあって、天井高が変化する。また、コアの両側の壁に(たぶん)構造を兼ねた木製の棚が天井いっぱいに設えてあり、ともかくコアの中を歩いていくのがとても楽しいんですね。こんなプランになった面白い理由を小嶋さんに教えてもらいましたが、それもまあ雑誌で彼が書くでしょう。お楽しみに。
 この建物の周囲には、これ以外に小嶋さんが育った家やら空間やらがあるのですが、それらを見ると、彼のキャラクターが納得できるように思いました。育った環境やら血筋やらって大きなファクターだなあ。楽しい一日だった。
 さてここで問題です。僕らがタクシーで着いたらちょうど帰りのバスに乗り込んだところでお互い手を振り合うだけで寂しく別れてしまったゼミの4年生諸君、ハナダはこの見学会で、「お、これは卒計に使えるゾ!」というアイディアが浮かびました。さあなんでしょう(笑)。

2002-11月15日(金)

 教育に一日を費やす。教育についてさまざまなことを考えた・・。なんだか、わかりませんね(笑)。

2002-11月14日(木)

 朝9時から夕方まで、4年生の卒論の発表会。すごく基本的な論理性を欠いたもの、つまり証明の手続きがふめていない論文がけっこう多くイライラした。どうしてヘンだと思わないんだろ。さあ次は卒計です。みんな頑張って。ライバルは全国にいます。
 
小学校あき教室プロジェクト、研究生・松田君、院生・新宮君と打ち合わせ。

2002-11月13日(水)

 教授会。その他事務仕事。
 
 今日買ったもの。
 『暮しの手帖 300号記念特別号』。これはもう絶対に買っておきましょう。花森安治の机の上や、編集部の写真なんかがちらちらとはいっていて興味深い。71号(1963年9月)の「日本紀行 その1 神戸」という記事が再録されていて目に止まった。繁華街や北野の当時の写真が興味深い。それと、どこか見た風景だなあと思ったら、わが家の近くの鴨子ヶ原。それに土を運ぶトラックが走る住吉川と造成中の鶴甲団地の写真でした。
株式会社神戸が山を削り始めた時代ですね。先日亡くなった山本夏彦の原稿も載っている。これが絶筆か。
 『CASA BRUTUS 誰にでもわかる20世紀建築の3大巨匠』。相変わらずの取材力。今の学生はこういう生々しい写真とともに3大巨匠のことを学ぶんだなあ、と溜息が出る。 もちろん素晴らしいことですよね。僕はピーター・ブレイクの『現代建築の巨匠たち』だったなあ。これまでの建築史の本の弱点はともかく映像でしたからね。
 『おとなの工作読本1 ラジオ少年の時代』。文字どおり、昭和30年代の「ラジオ少年」にはたまらない本です。懐かしい真空管や電子部品、工具などの名前がずらずら。バリコン、コンデンサー、バーニアダイヤル、6AV6、6BE6、リーマー、シャシー、5球スーパー、スーパーヘテロダイン、BCL、ベリカード、『子供の科学』、『初歩のラジオ』などなど。嗚呼!
 『キャラメルの値段』と『日本人の暮らし』も。ある宿題用資料も兼ねて。こちらも懐かしいものいっぱい。

2002-11月12日(火)

 入試シーズンが始まりばたばたしていました。
■9月8日(金)
 教育に一日を費やす。
■9月9日(土)
 午前中、上の子の小学校の音楽会に行き、午後は大学で入試関係の仕事。
9月10日(日)
 環境デザイン学科の推薦入試。入試委員の僕はてんてこまい。
■9月11日(月)
 卒論の提出日。締め切り時刻間際の「混乱」は例年より少なかったように思いました。さて、出来はどうでしょうか。教員の方はこれからがたいへん。主査と福査を合わせて、20編ほどの論文を読まなくてはいけません。
 院生の諸君とゼミ。修論、修士設計とも大枠は見えています。問題はそのイメージを具体化する腕力です。
 
小学校あき教室プロジェクト、研究生・松田君、院生・新宮君と打ち合わせ。分離されている空間(教室と廊下)をひとつにするような境界として教室と廊下のあいだに建築的仕掛けを挿入すること。「正面のない家」論で考えたこと、青木君の言う「インテリア問題」との関係。そのあたりがテーマだと整理。
 林雅子展の評が載った『コンフォルト』を多田君枝さんが送ってくださり、お礼をメールし、さらにやりとり。楽しい。編集者という職業ならではの発想が刺激になります。 多田さんからは『沢田マンション物語』に感激した旨のお便り。理科大大学院のKさんが修論で沢田マンションを取り上げようとしているとか。実測していた彼ですね。Kさん!ここ読んでくれてるみたいですね。修論期待しています。

 さて本日は「伝道師」に変身の一日でした。和歌山市のある高校で、30人弱の1、2年生に建築の面白さを話すというお仕事です。どこで聞き付けたか、和歌山出身でわがゼミ生の東端、中家両君が応援を申し出てくれ、3人で乗り込みました。スライドプロジェクター、学生作品の図面パネル、「テツノマチヤ」の模型、大学の各種パンフレット、推薦図書リストなどを持参。完全装備です。旅の一座、キャラバン隊です。やはり小道具は喜んでもらえます。スライドは、僕が設計した住宅3軒と日建時代のいずみホール。工事中や音響実験の模型などもいれています。それに芸工大のスタジオや講評会の様子など。けっこう受けたのではないかな。東端君がほめてくれました。エヘン。
 
 『だから早稲田はトクなんです』という本の広告が日曜日の朝刊1面の右下欄にありましたね。目次だけしかわからないけど、でも、こりゃないだろうと思っていたら、内田樹さんの日記11月10日分でさっそくずばりと批判されていた。まったく同感。

 あ、それから、新しい掲示板を院生・村山君がとりあえずつくってくれて稼動しています。が、機能的に問題があるのでさらに検討中。しかし、書き込みはどうぞ自由にしてください。

2002-11月7日(木)

 芸工大は、今日から日曜日まで一日一学科で推薦入試ですが、今日は他学科なので3年生の実習の講評会を実施しました。とても面白かった。今年の3年生は腕利きが多く、プレゼンテーションも上々。今日で前半のマスタープランづくりが終了し、来週からはそのプランの中の主要施設を各自が選んで詳細設計するというプログラムです。そのスケジュール等を説明していたら、ひとりの男子学生から「提出図面の枚数に制限はありますか」という質問がでた。いやあ涙がでるほど嬉しかった。芸工大に来て6年目にして初めて味わう感動です。もちろん「上限なんかありません!」。好きなだけやってください。質問した彼、おもしろいこと考えてるやつなんだ。期待してます。
 4年のゼミ生の多くが久しぶりに登場。11日が卒論の締め切りなので、梗概等の事前チェックと押印。あと3日。大丈夫か。

 メールで送っておいたら、「「正面のない家」再読」について青木淳君と鈴木毅君から嬉しい感想が届いた。でへへ。このひとたちにほめられると
ほんとにうれしい。なんという幸福感!なーんて書いてしまうくらい、ウレシイ。

2002-11月6日(水)

 学科会議と入試関係のお仕事。
 「『正面のない家』再読」の載った『まちなみ』11月号(大阪建築士事務所協会)が届いた。4頁しかないのにどうしても文字数が多くなる。もっと写真をいれたかった。これだけではよくわからない方も多いだろうなあ。反省。「正面のない家」について、すこしは新たな掘削ができたかどうか・・。
 ジュンク堂のホームページで東京本のフェアをやっているのをみつけ注文していた本が店頭に届く。都築響一『賃貸宇宙』、小林キユウ『上京』、沼田元氣『東京喫茶店案内』。
 『賃貸宇宙』はもう言うまでもないですね。今ごろ買っててどうする。『TOKYO STYLE』よりも写真と文字が小さいのが残念。老眼の私だと虫眼鏡が要る。でも、もちろん抜群に面白い。関西、一戸建て、寮などへ取材範囲も広がっている。『10+1』No.29の都築インタビューもいっしょに読もう。 『上京』は知らない本だったけど、予想通り、当たり、だった。地方から東京にでて暮すさまざまな若者へのインタビュー、と書くと陳腐な感じがするかもしれませんが、とても好感のもてる本です。やはり地方から上京した僕にとっては、いろんな風景が重なります。装幀もとてもいい。 『東京喫茶店案内』。沼田元氣で喫茶店とくれば何も説明する必要はありませんね。装幀から何からすべて「ぼくの伯父さん」です。すっかりごぶさたしているここでも少し前に沼田さんを招いて喫茶店の展覧会をやっていた。
 『建築文化』の今月号は表層の特集。青木×石田×西沢の議論を読んでみる。正直言って、ごく当たり前のこととよくわからないことが書いてあって、結局なんだかわからない。アピアランスっていってもなあ。プログラムからもっと建築自体へとでもいうような時代の気分はよくわかる。青木君がルイヴィトンで見せている完成度の高さがやはり大きなヒントだと思う。

2002-11月5日(火)

 大学祭の後片付けの日で授業は休講。入試関連および共同研究の段取り関係のお仕事。小学校あき教室プロジェクト、研究生・松田君と打ち合わせ。いつの間にか昔話に。
 『住宅建築』11月号到着。川添登さんのアーキフォーラムのレポートを書きました。今月号は「〈新しさ〉と〈古さ〉に関するもう一つの視点」という特集。伊藤寛さんの記事が面白い。僕は伊藤さんの住宅のファンであります。
 『コンフォルト』の最新号を立ち読み。林雅子展のレポートをアイシオールの多田君枝さんが書いてくださっていた。東京展と大阪展の両方を取材し、シンポジウムでの議論にもきちんと言及した丁寧な記事です。大阪のシンポでの僕の報告までとりあげていただき恐縮。でも自分がいちばん頭を悩ました部分をちゃんと理解してくださったかたがいたんだと思うと、とても嬉しかったです。いくつかの建築雑誌でもレポートを見たけど、どれも上っ面だけだったから。
 『HOME&ROOM』vol.3の「Nordic Design Again〜北欧はクセになります」に掲載された彼の地の美しい日常生活の場の写真を見ていると、心底羨ましく思います。学生の頃、アールトへの興味がもてなかったのは、単にこういう写真がなかったからじゃないのか、と責任転嫁。

2002-11月4日(月)

 昨日と今日は芸工大の大学祭。一家で大学へ。子供たちが催し物や屋台を楽しんでいるあいだに、僕は在校生の御父母のかたとの面談会場へ。教員との面談を希望されるお家の方に対し、その子供さんの成績などについてのご質問にお答えするわけです。「え、大学でそんなことやるの」と思われる方もあるでしょうが、やるんです。芸工大なんてそういう対応は遅かった方ではないでしょうか。学生の成績を父母に送るかどうかですらずいぶん議論があり、送るという方針がでたのは他大学よりかなり遅かったように思います。「え、成績を送るの」とさらに驚かれた方もあるでしょうが、送るんです。ただし芸工大の場合は、あるボーダーライン以下の学生に限りです。お金をいただいて教育している以上当然だとも思いますし、大学生ってそういうことじゃないだろうという気持ちももちろんあります。変な感じです。
 青木君とメールのやりとり。作家としてこんな展覧会に出展しているそうです。いずれ大阪にも巡回予定とのこと。彼がどんな展示をしたのかは聞いていません。楽しみ!

 「テツノマチヤ」の写真をアップしました。member→花田→profile の中にあります。

2002-11月3日(日)

 所用があり、以前住んでたこともある西宮の夙川方面へ。今住んでいる神戸の山の上と違って、徒歩圏にいろいろなものがある楽しさを思い出した。
 わが家の駐車場から門のまわりの地面はコンクリートでも砂利でもなく、防腐剤を注入した角材が敷き詰めてある。そのうち、門扉の内側が意外に空気の流れが悪く、緑色の苔がうっすらとはえていた。そこで例の長いホースで水をかけ例のすぐれものブラシでごしごし。きれいになりました。先日来、ブラシであちこち擦っているので、「カーリングでもやったら」などと妻子は言う。嗚呼。

2002-11月2日(土)

 10月16日に書いたように、展覧会では結局使わず引き取ってきた「海のギャラリー」の模型の正面の部分についてです。置き場所を決めかねて、今日まで車の中に積んだまま大学と家とを往復していたのでした。しかし、いつまでもそうしておくわけにもいかず、一応をわが家の勉強部屋に神棚みたいに飾りました。何か御利益が舞い降りてきますように。

 松井計の『ホームレス失格』、やっと読了。なかなか辛い結末でした。書かれている役所の対応には暗澹たる思い。前作ホームレス作家』とともに御一読をお薦めします。ちなみに「松井計」で検索してみるとこんなページがあって、昭和33年愛媛県八幡浜市生まれ、とある。愛媛県までは著書でわかっていたけど八幡浜とはなあ。しかもお母さんは小学校の先生だ。うーん。まさか松村正恒さんの学校とつながったりして。しかもお父さんは電々公社。「逓信」だー。勝手にびっくりしています。

2002-11月1日(金)

 某大学の学生さんたちがわが家に見学に来た。建築好きの若い人と話すのは楽しいです。
 クアラルンプールでの日朝交渉が終了。政府高官と政治家とが5人の方々に付き添って北朝鮮に行き、残された子供さんたちへの説明に何らかの結論がでるまで一緒にいる、という方法が一番よいように思いますが。