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赤崎正一 名誉教授/特別レクチャー開催のお知らせ

2023年01月26日 ニュース ビジュアルデザイン学科

赤崎正一 名誉教授による特別レクチャー「よむ/きく/みる……デザインの忘却2」が開催されます。
学外の方も聴講可能です。お近くにお越しの際は是非ご参加ください!

名誉教授特別レクチャー「よむ/きく/みる……デザインの忘却2」

講師:赤崎正一
日時:2023年2月11日(土)13時〜16時30分
会場:兵庫県立美術館王子分館/原田の森ギャラリー別館401
定員:39名(聴講無料)
予約は不要です。学外の方の聴講も可能です。

講義概要


「よむこと」「きくこと」「みること」の中にデザインを探ります。
「よむこと」の中に「きくこと」があります。「きくこと」の中に「みること」があります。そして「みること」の中に「よむこと」が生まれます。「よむこと」=読書から始まる全感覚のイメージの連鎖の中にデザイン(とりわけてエディトリアルデザイン)が生まれます。
これまでさまざまな授業の中で多くの学生たちとともに考えてきたことは「読書のデザイン」として集約できます。きわめて個人的な体験でありながら「読書」は全世界に開かれています。そして全歴史の中の時間にも通じます。しかしひとりの人間が生きている限られた時間の中で読むことができる本の数はとても少ないものです。
これまでに(そしてこれからも)本は歴史の中に複雑に折り重なりながら厚く重層しています。われわれはそのごく一部に触れることしかできません。しかしその触れた場所からは無限のイメージが成長します。
神戸芸術工科大学の教員として過ごした日々の終わり近く、そのような想いにいたりました。

1年前の「カオス2022」で場をいただき「デザインの忘却」というタイトルでお話をしました。
「デザイン」というカタカナ語こそが現代のデザインが忘却している問題の核心を覆い隠している。それが趣旨でした。しかもそれはしばしば意図された忘却であり、われわれを欺いている「近代」そのものの現し身です。
その問題意識を前提として、今回のレクチャーではきわめて個人的な読書体験についてお話します。かつて読んだ本、最近読んだ本、何度か読み返している本、読み通せず挫折してしまった本、「積ん読」ままに放置してしまっているたくさんの本、そうした多様な読書体験から話をすすめます。「よむこと」から発生する音楽。「よむこと」が開示する空間。「よむこと」が現前させる重力から解放されたダンス。そうしたものに触れたいと思います。(赤崎正一)