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受賞・入選のお知らせ/アート・クラフト学科

2022年07月08日 ニュース アート・クラフト学科

第60回記念兵庫工芸展にて、アート・クラフト学科 ガラス・陶芸コースの学生5名が受賞・入選致しました!

今回受賞・入選した学生の「作品タイトル」、「作品について技法や制作秘話」などをご紹介します。

兵庫県知事賞
奥田 啓斗/作品名:( space )

黒いガラスの表面がメタリック状になっており、どろどろとした雰囲気を出しました。
そんな雰囲気に少しおぞましさを感じたことや縦横無尽に変形した姿が、無限に続く宇宙空間のように見えて、『( space )』と名付けました。
以前までは透明のガラスを使っていました。
今回、初めて黒のガラスを使い、窯の焼成温度や素材の見せ方が、がらりと変わり苦労しました。
この『( space )』を見てくださった方に少しでも迫力が伝わったら嬉しいです。

神戸市長賞
剣持 花/作品名:un rêve

この作品はプレス技法を使用しています。プレス技法とは上から押さえつける型と下から支える型を作り、その間にガラスを詰めて窯で焼き、詰めたガラスが溶けて型にプレスされることによって器などを形成する技法です。ガラスをどのように詰めるかによって作品の表情もガラッと変わるので、ガラスの色や粒の大きさに拘りました。たくさんの方に見ていただきたい!と思える作品を造ることができました。

奨励賞
木綿 健二/作品名:静謐

この作品は静かで落ち着いた山をイメージして作りました。器の形としては山が反転したようになっており、器の外側は山肌を意識したテクスチャになっています。
またグラデーションをかけることで、山肌のテクスチャに流れを表現し、静かで落ち着いた雰囲気に仕上げました。このことからタイトルを『静謐』に決めました。
苦労したことは器の縁の不規則な形を制作することで、ガラスの繊細さを表せたと思います。

入選
神戸 祭里/作品名:動物虐待

ガラスの壊れやすさを動物虐待という罪を犯した人間の化けの皮や周りからの信頼に見立て、顔に罪を被るという意味でお面の形にしました。制作過程は苦労の連続でした。パートドヴェールのプレス型という技法で「お面」を作ること自体初めてで、わからない事が多かったからです。この苦労の経験から技術を積み重ねる事の大切さを痛感し、今後より良い作品を制作できるよう技術を磨こう思えました。

入選
下手 美空/作品名:夏めく

段々と夏が近づいてくる中、悠々と泳ぐ金魚を描きました。器の形は水面を意識し、揺らいでいる様を表現しており、その上に上絵で蓮の葉や金魚を描いています。絵付けは和絵具と洋絵具を用いており、和絵具で描いた蓮の葉では納得のいく色合いを出す為に色の調合を行い、洋絵具で描いた金魚では一匹一匹の鱗の細やかさを表現しました。焼き締められた陶器に上絵を施す際には一度描いてしまうと描き直しが出来ないのでとても緊張しました。