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2011年11月7日 「生体リズムを考慮した快適照明のデザイン」

2011年09月28日 芸術工学研究所

今年度コア研究「技術の人間化に基づいたサステナブルデザイン」の一環として、
第1回研究会を開催いたします。

入場無料、予約不要ですので、ご自由にご参加ください。

 

「生体リズムを考慮した快適照明のデザイン」

 日時:11月7日(月)午後3時~4時(講演40分、質疑20分)
    (日本生理人類学会・照明研究部会と共催)

会場:神戸芸術工科大学 クリエイティブセンター2階

講師:野口公喜氏(パナソニック電工(株)照明綜合技術センター)

概要:空間の快適性を語るうえで、照明は温湿度環境・音環境とならび重要な環境要因である。従来、照明技術は明視性(視作業面がよく見える)という観点に重点を置き、照度,輝度,照度均斉度などという照明量で評価基準を決めてきた。しかし、照明量がかならずしも人間の感覚と一致しないという問題点を考慮し、10年前くらいから心理評価による照明快適性研究が盛んになった。

最近では、照明空間の快適性は心理評価のみでは充分に語り尽くせないという問題から、生理量による照明快適性評価が注目されてきている。一方、空間の快適性という立場から、照明のみの評価ではなく、温熱などとの複合快適性の評価というものも研究されはじめている。

近年、メラノプシンを視物質とする光受容神経節細胞の存在発見やメラトニン分泌抑制におけるアクションスペクトルの導出に端を発した、光の波長と生体リズムに関する基礎研究は大きな進展を見せている。それにより、各種光源の作用定量化手段の提案や、標準化/規格化の取組みが進展し、その作用を考慮した照明環境を構築するための測定装置やシミュレーション手法の提案、LED照明への応用も始まっている。本講演においては、これらに関連する近年のトピックスを紹介し、照明器具や照明設計デザインへの応用に向けての可能性や今後の展望について述べる。