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第3回ビブリオテイクレクチャー:「近代教育学の始祖・絵本の父 コメニウスの『世界図絵』の意義を求めて」

2010年11月06日 情報図書館事務室 イベント

来る11月17日(水)に図書館AVホールにて、ビブリオテイクレクチャーの第3回目を開催します。今回はデザイン教育研究センター・貴島正秋教授によるレクチャーです。

※第1回目・2回目のレポートはこちらをご覧ください。

「近代教育学の始祖・絵本の父 コメニウスの『世界図絵』の意義を求めて」

講義内容:

近代教育学の始祖・絵本の父と呼ばれるコメニウス【Comenius(Komenský):1592-1670】は現在のチェコ共和国モラヴィアという小さな町(ただし誕生地は諸説あり)に生まれ、オランダのアムステルダムに没している。コメニウスの人生は放浪の旅で、二度と自分の故郷に足を踏み入れることはなかった。コメニウスの生きた時代は1618年勃発の30年戦争というヨーロッパ大陸全体をまき込む戦乱にみちた時代であった。この戦争はプロテスタントとカトリックとの激烈極まる宗教戦争で、コメニウス自身、妻や子どもを失い、さらに蔵書すべてを焼失し、奈落の絶望を体験する。この絶望からの出口を、コメニウスは政治的策略によって見出そうとするがうまくいかなかった。コメニウスは教育、特に子どもの教育こそが国家再建の第一の鍵と考えた。コメニウスは教育学の体系的な書物として『大教授学』を著している。この『大教授学』の「母親の膝・母親学校」において子どもの心に楽しみや喜びを湧き出させるような書物(絵本)として『世界図絵』について言及している。この『世界図絵』は「可視的な世界;すなわち事物の世界と行為の生活におけるあらゆる基礎的なものの図示と名称」という副題がつき、ゲーテも主著『詩と真実』においてコメニウスの『世界図絵』を子どもの時に読んでいたことを告白している。

   講師: 
   貴島正秋

   日時: 
   2010年11月17日(水)17:00~18:00

   会場:
   神戸芸術工科大学・図書館AVホール

   定員:
   50名(先着順・申込不要・聴講無料)

   お問合せ先:
   神戸芸術工科大学 図書館事務室
   TEL:078-794-5045
   URL:http://www.lib.kobe-du.ac.jp/