NEWS

本学映画専攻4年の前田実香さんが映画監督に単独インタビュー!写真・CG専攻3年の山田恭子さんが写真撮影!

2009年05月28日 受賞・入選 映像表現学科

2009年5月23日(土)全国公開の映画「重力ピエロ」(原作・伊坂幸太郎)の森淳一監督に、配給元のアスミック・エース エンターテインメント株式会社内で、映画専攻4年前田実香さんがインタビュー、写真・CG専攻3年山田恭子さんがインタビュー写真撮影を行いました!
映画「重力ピエロ」に対する想い、撮影裏話、主演の加瀬亮さん・岡田将生さんのキャスティングに関する話や画面構成技術、映像を勉強する学生へのメッセージまで、大いに話がはずみました。

映画「重力ピエロ」
第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞、『このミステリーがすごい!2009年版』第1位受賞作家、読書界を圧倒し、映像化不可能といわれた伊坂幸太郎の大ベストセラー小説が原作。
伊坂ワールド独特の軽やかさはそのままに、エンタテインメント性と緻密な作家性の融合で描く光と闇、息もつかせぬスリリングな展開と力強くみずみずしい人間ドラマ。
常識やモラル全てを超越、凌駕した“大きな愛”、そして家族の絆、大切な人への強い想いがあれば何でも乗り越えられるということが描かれた、未知の衝撃が胸を打つ感動ミステリーが遂に映画化!

<ストーリー>
市内で発生する謎の連続放火事件と、現場付近に必ず残される奇妙な落書き(グラフィティアート)。
その謎は、幸せそうに暮らす奥野一家の24年前の悲しい過去へと繋がっていく・・・。
遺伝子を研究する兄・泉水(加瀬  亮)、落書き消しの仕事をする弟・春(岡田将生)、そして病と闘う父(小日向文世)——強い絆で結ばれた家族の決断とは?
常識を超えた大きな愛に心で泣く、感動ミステリーの傑作!

スタッフ:監督 森淳一 
脚本・企画 相沢友子
キャスト:加瀬亮 岡田将生 吉高由里子 鈴木京香 小日向文世 渡部篤郎 

5月23日(土)梅田ガーデンシネマ、なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸ほか全国ロードショー

———この作品の脚本を担当し、企画発案者でもある相沢友子さんからこの作品の企画をお聞きになった時、どう思われましたか。また、監督として参加しようと思われた決め手は何でしょうか。

[森 監督] まず思ったのはテーマ性が強く難しい作品だということ。で、お金もかかるだろうなと(笑)ただ、きれいだけじゃなく、ドロドロとした部分もある人 間の、「光と闇」という作品のテーマが、これから描きたいと思っていたこと、そして作品の中にユーモアも含まれていることが、撮りたいと思った理由です。

———登場人物の年齢など、原作と違う点が見られますが、どのような意図があるのでしょうか。

[森 監督] ただ文章を映像に変換するのではなく、その映像が「魅力的」かどうかが重要だと思います。だから映像になった時を意識し考えた結果、主人公は大学 生という設定で、若者像を表すものとなりました。原作では正志は病院でずっと入院している設定ですが、病室のシーンよりも新緑に囲まれながら養蜂している シーンのほうがこの作品には魅力的だろうと判断したので変えました。

———私は役者の方が持つ空気が、作品に反映されているような感覚を覚えました。素晴らしいキャスティングだと思うのですが、キャスティングに関してはいかがでしたか。また、キャストの方に対し、どのような演出をされたのでしょうか。

[森 監督]キャスティングは本当はやりたくない仕事なんですよ(笑)なぜなら作品を左右する責任のある仕事だから。映画製作の中で、一番難しい仕事じゃないで しょうか。演出といっても、特にこれと言って何かしてはいません。自由に演じていただきました。もちろん何か聞かれれば答えたし、必要なことはこちらから 要求したけれど、コミュニケーションを取りながら押しつけず、キャストがのびのびと演技することによって期待以上のものが生まれ、演技にリアルが出てくる と思うんです。

●撮影は命がけ!?

———大雪のシーンや役者の方が火に囲まれるシーンなど、撮影の時は危険で過酷なものだったのではないかと思われたのですが、実際はいかがだったのでしょうか。

[森 監督]  2ヶ月という限られた期間内の撮影で、桜や、雪などの季節感を出すのには苦労しました。雪山での撮影では、雪がないのでは?と懸念され、合成にしようとい う案も出ていたのですが、役所で働く正志と、美人なモデルの梨江子という別世界の二人が遭難し、その後結婚するに至る大切な出会いのシーンに、雪がないの はだめだ!と降雪にこだわり続けました。そして撮影日には見事大雪に。ただ、スタッフが遭難しかけるという過酷な事態にもなりました。あと少し撮影が伸び ていたら本当に危なかったなぁ(笑)
また、火のシーンでも合成は使わず、火を起こせる限界に挑戦しました。役者から熱い!との声もあがり、これも撮影が伸びていたら危なかったなぁ(笑)

———今作、映画「重力ピエロ」では、春が二階から飛び降りるシーンがとても美しく印象的です。映像を撮る際に心掛けていることなどありますか。

[森監督] 映像化に際し心がけていることはずばり「広がり」。何を撮るにせよ、広がりを意識しています。たとえば春が落ちてくる際のさくらの花びら等、背景に広がりを印象付ける対象を撮ることを常に心掛けています。

●映画監督という仕事
———映画監督という、今の職業をしていていちばん嬉しいと思われることはどんなときでしょうか。

[森 監督] 映画監督をしていて嬉しいときは、想像以上の映像が撮れたときです。期待以上が得られる喜びはひとしお。ありふれた言い方だけど、映画の神様がお りてきたときは本当に最高!って思います。ラッシュ上映で、どうやって(こんないい画)撮ったの?と、撮影スタッフに聞いている自分が好きだったりします (笑)

———学生時代は8ミリで映画を撮影し、商業映画の撮影現場でアルバイトをしていた監督。最後に学生へメッセージをおねがいします!

[森監督] 映画業界、仕事を選ばないなら入るのは簡単。だけど肝心なのは入ってから。目標を作って、それに向かってひたすら努力することが大切です!頑張ってください。

———ありがとうございます!私も映画業界で輝けるように、目標に向かって努力し続けようと思います!本日はインタビューに答えてくださり、本当にありがとうございました。