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本学 ファッションデザイン学科 ばんばまさえ講師が「第17回 染・清流展」に出品します。

2009年09月24日 ファッションデザイン学科

「第17回染・清流展」の会場となる、世界でも珍しい現代染色の専門ミュージアム「染・清流館」玄関口の横の壁面に、「SOME」という巨大な文字が浮か び上がっています。そこには「染め」という言葉を世界語にしようという壮大な志が込められています。 インド、インドネシア、アフリカのいくつかの国々な ど、民俗文化的な手工芸としての染色が盛んな地域は世界の中のあちこちに見いだすことが出来るでしょう。しかし、日本のように、芸術表現としての「染め」 がきわめて高度に発達した国は、ほかに見つけることは出来ません。 日本からも多くの作家が参加した、2005年にアメリカのボストンで開催された「世界 ろう染会議」以来、インドネシアで製作される産業的なろうけつ染をさす言葉「BATIK」にかわって、表現としてのろうけつ染をさす言葉として 「ROZOME」が英語でも認められ始めていますし、「SHIBORI」という言葉も、絞り染めをさす世界の共通語としてすでに認知されています。 そう した誇るべき日本の染色文化を、世界に発信していこうということを、重要な役割の一つとして「染・清流館」は設立されました。 「染・清流展」は、 1991年、日本を代表する染色作家が一堂に染色の平面作品を発表する展覧会として清流会の主催によって創始されました。 第1回展には、佐野猛夫・三浦 景生・皆川泰蔵・伊砂利彦・本野東一・来野月乙・麻田脩二など30名の染色作家が、当時まだまだ高かった会派の垣根を越えて出品する画期的な展覧会として 大きな反響を呼びました。 以来、第15回展までは、京都市美術館を会場に毎年開催され、「染・清流館」が京都の中心地・室町通りに出来てからは、そこを 会場として、開催の形も1 年おきに開催する、いわゆるビエンナーレ形式とし、今回で第17回目の開催となり、創設以来19年目を迎えます。 今回は、選定委員会によって選ばれた、 重鎮から新進気鋭の若手までの作家45名が、前期(9月)・後期(10月)の2期に分かれて、新作を発表します。関西に制作拠点を置く作家がほとんどです が、多くの作家は全国の美術館や画廊で作品発表を展開し、染色表現の最前線で活動しています。また国際的に活躍する作家も少なくありません。 出品作品を 見渡すと、伝統工芸から前衛的な志向の仕事まで、技法・表現・作品形態は実にさまざまで、現代日本の染色表現が驚くほど多彩で豊潤な世界をたたえていると いうことが感じられるはずです。 「染・清流展」は、その会場に並んだ作品群を俯瞰することで、「現代の染め」がいま立ってある位相を窺い知ることの出来 る、またとない貴重な展覧会であるといえるでしょう。(染・清流館ウェブサイト<http://someseiryu.net/>より)

● 会期:10月1日(木)~10月23日(金)
● 会場:染・清流館<http://someseiryu.net/access_page.html>
● 入館料:大人:300円・学生:200円
● URL:<http://someseiryu.net/topic_page.html>